◎アジアゾウたちは雲南省の山岳地帯にある自然保護区から500km以上歩き続けている。
中国の新華社通信によると、南西部雲南省を放浪しているアジアゾウの群れ(15頭)はアスファルト道路を元気に歩き、老人ホームの窓に長い鼻を突っ込み、当局を困惑させたという。
当局はドローン12機と地上チームを配備して群れを監視している。当局の広報担当者は新華社通信の取材に対し、「ゾウたちがトレッキングを始めた理由は分かりません」と述べた。「私たちは住民に屋内にとどまるよう促し、建設機械で道路を封鎖し、食べ物を使ってゾウの誘導を試みています」
ゾウたちは雲南省の山岳地帯にある自然保護区から500km以上歩き続けている。ゾウを目撃した住民はソーシャルメディアに、「ゾウたちは元気そうに見えました」と投稿した。
新京報は6月2日、「当局は雲南省の都市、玉渓市にゾウたちを近づかせないために、数百台のトラックを配備した」と報じた。
一方、別のメディアによると、ゾウたちは老人ホームに姿を現し、窓から室内を物色したという。室内にいた老人はベッドの下に隠れて難を逃れたと伝えられている。
中国の専門家たちは群れが自然保護区を離れた理由を議論しているが、今のところ明確な答えは示されていない。ある専門家は、「ゾウたちは新しい生息地を探している可能性がある」と述べた。
雲南省の都市、昆明市のメディアによると、当局は警察と救急隊員を現地に700人派遣し、トウモロコシやその他の食料による誘導作戦を展開しているという。
雲南省の政府当局は住民に対し、「ゾウのためにトウモロコシを準備したり、その他の食料を軒先に置いたりしないでください」と通知を発行した。「ゾウを取り囲まないでください。ゾウをじっと見つめないでください。ゾウに爆竹を投げつけないでください。その他の道具を使ってゾウの行進を邪魔しないでください。アジアゾウは絶滅危惧種に指定されています...」
地元メディアの取材に応じた専門家は、「ゾウの移動スピードが上がったように見える」と指摘している。「ゾウたちは人が増えたことに恐怖を感じているのかもしれません。生活に適した場所に誘導する必要があると思います」
新華社通信によると、群れは4月に自然保護区の北約100kmの地点で初めて目撃され、以来当局は監視を続けていたという。新華社通信は、「当初ゾウは17頭でいたが、親子と思われる2頭は自然保護区に引き返した」と報じている。
公式の報告によると、この群れは現在、雌6頭、雄3頭、未成年3頭、子供3頭で構成されているという。
サウスチャイナ・モーニング・ポスト紙が撮影した映像には、大慌てする住民の様子が映っていた。ある男性は、「ゾウがやってくる!」と叫んでいた。
雲南省の政府当局によると、群れはこれまでに少なくとも412回トラブルを引き起こしたという。あるWeiboユーザーは、「ゾウが発効穀物を食べて酔っぱらった」と投稿したが、専門家は「ゾウは酔わないと思います」と反論した。
ゾウたちはトレッキング中の栄養補給として、これまでに少なくとも100万ドル(約1億円)相当の農作物を無断で食べたと伝えられている。
あるWeiboユーザーは、「ゾウ達は昆明市で開催される国連の生物多様性条約締約国会議(COP)に出席するつもりかもしれない」と投稿した。
COP15は昆明市で10月に開催される予定。