◎アリババグループは何年にも渡って市場での独占的な地位を乱用したと独占禁止規制当局に指摘され、速やかに罰金を支払うよう命じられていた。
2020年12月24日/中国、浙江省杭州、アリババの本社ビル前に設置されたロゴ(ゲッティイメージズ)

4月12日、世界最大の電子商取引会社であるアリババグループは、中国の独占禁止規制当局による記録的な183億元(約3,000億円)の罰金を受け入れ、共産党指導部のルールに従うと述べた。

アリババは何年にも渡って市場での独占的な地位を乱用したと規制当局に指摘され、速やかに罰金を支払うよう命じられていた。3,000億円は同社の2019年の国内収益の約4%に相当する。

アリババグループのジョー・ツァイVPは以前の声明で、共産党指導部はアリババのようなプラットフォームに関心を示していると述べていた。「厳しい規制は市場の競争を阻害し、企業の成長に悪影響を与える可能性があります」

ツァイVPは4月11日に行った投資家向けのオンライン報告の中で、「問題を解決できてうれしいが、規制当局は他のいくつかの分野にも注目しています」と述べた。なお、競合他社との合併や買収について共産党指導部が調査を進めているという噂については分からないと強調した。

規制当局はアリババのプラットフォーム内で取引を行っているライバル会社のプラットフォーム、ビジネス、プロモーション(広告など)が制限を受けたことを問題視していた。ツァイVPは「規制当局の指摘に従い、これらの問題に対処する新たな対策を導入する」と述べた。

同グループは今回の罰金を含む規制当局の調査が事業に影響を与えることはないと予想している。

地元メディアは、同グループと規制当局の関係はとても友好的と報じたが、アリババに投資している専門家たちは、「共産党指導部はアリババの成長を促しつつ、国営企業のようにコントロールし、市場を支配したいと考えている」と指摘した。

同グループの共同創設者、ジャック・マー氏は、昨年10月に規制当局を非難して以来公の場に姿を見せていなかったが、今年1月のオンライン会議に出席し、生存していることが確認された。

規制当局はマー氏の非難声明を受け、アリババの姉妹会社である電子決済プロバイダーのアントグループの株式上場を台無しにした。ただし、一部の専門家は、規制当局はアントグループの消費者金融部門に正当な懸念を抱いていたと主張している。

共産党指導部の監視下に置かれているハイテク企業はアリババグループだけではない。

先月、市場規制国家管理局(SAMR)は、独占禁止規則に違反した12社に罰金を科したと発表した。罰金を科された企業には、ハイテク大手のテンセント(Tencent)、検索エンジン大手のバイドゥ(Baidu)、ディディチューシン(DidiChuxing)などが含まれていた。

2020年12月24日/中国、浙江省杭州、アリババの本社ビル(AP通信/Chinatopix)
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