◎王毅外相はパキスタン、イラン、タジキスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタンなどの近隣諸国が参加したオンライン会合後の記者会見で、アフガニスタンに援助を提供すると発表した。
9月8日、中国共産党は武装勢力タリバンの支配下に置かれたアフガニスタンにコロナワクチン300万回分を含む2億元(約35億円)相当の援助を提供すると約束した。
共産党指導部は先月、タリバンとの関係を確立する準備はできていると述べていた。
王毅外相は8日、「アフガニスタンの暫定政府樹立は、国の秩序を回復するために必要な措置」と述べた。
タリバンは7日に暫定政府の閣僚を公表し、「アフガニスタン・イスラム首長国」の創設をあらためて宣言した。
一方、アメリカのジョー・バイデン大統領はタリバン政府の承認を「遠い道のり」と表現し、西側諸国の要求に応じなければ援助は提供しないと示唆した。
王毅外相はパキスタン、イラン、タジキスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタンなどの近隣諸国が参加したオンライン会合後の記者会見で、アフガニスタンに援助を提供すると発表した。また、他の参加国にもアフガンに援助を提供するよう呼びかけ、中国のコロナワクチン300万回分も合わせて提供すると約束した。
また王毅外相はアメリカの撤退について、「米軍はアフガニスタンに混乱をもたらした」と非難した。「アメリカは侵略から撤退までの間、アフガニスタンの人々に深刻な損害を与えました...」
外務省の汪文斌(ワン・ウェンビン)報道官も8日の会見で、「アメリカはアフガニスタンに自国のイデオロギーと価値観を押し付け、悲惨な結果を招いた」と非難した。「これが軍事介入の結果です。アメリカは内政干渉が最悪の結果を招くことを世界に示しました...」
一方、タリバン当局は中国をアフガニスタンの最も重要なパートナーと呼び、戦争で荒廃した土地を再建するために中国の援助と投資を期待している。
共産党指導部はタリバンと良好な関係を構築し、テロの脅威が自国に及ばないように努めてきた。中国は7月、旧アフガン政府ではなくタリバンの高官を会談に招待し、アフガニスタンに経済援助を提供した。
しかし、イスラム国(ISIS)を含むムジャヒディン(ジハード組織)はイスラム法を否定する全ての勢力を敵と見なしているため、共産党はアフガニスタンに援助を提供しつつ遠くから見守る政策を取ると信じられている。
ムジャヒディンは1980年代、アフガニスタンに侵攻したソビエト赤軍を打ち負かした。この時、アメリカ、中国、パキスタン、イラン、サウジアラビアは数百億ドル相当のミサイルや兵器をムジャヒディンに提供していた。