◎立候補を禁じられた野党はフン・セン首相に対抗するため、有権者にボイコットや無効票を投じるよう呼びかけている。
カンボジアで唯一、ある程度の活動を許可されている野党の幹部2人が選挙法違反で逮捕された。現地メディアが15日に報じた。
それによると、幹部2人は有権者に無効票の投じ方を教えた疑いが持たれているという。
同国では現在、下院総選挙(定数125)の選挙運動が行われている。期間は7月21日まで。投票日は同23日である。
フン・セン(Hun Sen)首相の与党・カンボジア人民党(CPP)が全議席を保持する下院は先月末、選挙法の改正案を全会一致で可決。「投票を一度でも棄権した者は被選挙権を剥奪される」ことになった。これにより、亡命した政治家は選挙に立候補できなくなった。
フン・セン氏は選挙のボイコットを呼びかける野党議員を厳しく罰すると警告している。
AP通信によると、逮捕された幹部2人は23日の選挙に参加できる党に所属していたが、選挙管理委員会は今週、技術的な理由でこの党の出馬を禁じたという。
立候補を禁じられた野党はフン・セン氏に対抗するため、有権者にボイコットや無効票を投じるよう呼びかけている。
先月末に成立した改正選挙法は「市民に選挙登録や投票をしないよう勧めた者に罰金刑を科す」としている。
また、投票に行かなかった者は被選挙権を剥奪される。
APは政府報道官の話しとして、「当局は野党の選対委員2人が支持者に無効票を投じるよう扇動したという情報を入手したため、14日に逮捕に踏み切った」と伝えている。