◎地方裁は36人に懲役5~7年を言い渡し、このうち3人は執行猶予付きの判決を受けたという。1人は無罪となった。
カンボジアの地方裁判所は22日、反逆罪に問われている元野党議員の帰国を支援したとして、36人に有罪判決を言い渡した。
36人の中には野党「救国党」の元指導者であるレンシー(Sam Rainsy)被告とその関係者数人が含まれている。
レンシー被告らは同党のソクア(Mu Sochua)副党首の帰国を支援した共謀罪で昨年起訴された。
首都プノンペンの人権団体によると、地方裁は36人に懲役5~7年を言い渡し、このうち3人は執行猶予付きの判決を受けたという。1人は無罪となった。
36人のうち33人は出廷せず、警察は有罪判決を受けた者全員の逮捕状を発行した。
救国党はフン・セン(Hun Sen)首相の与党カンボジア人民党の対抗馬として2018年の総選挙に臨む予定であった。
しかし、フン・セン氏は投票前に野党候補を厳しく取り締まり、裁判所も救国党を含む主要野党の解散令名を支持し、国会から野党議員を排除。カンボジア人民党は国会の全議席を獲得した。
レンシー被告は40年近く政権を維持しているフン・セン氏を厳しく批判し、最も人気のある野党議員であった。
フン・セン氏とレンシー氏はソーシャルメディア上でも頻繁に対決し、互いを侮辱し合ってきた。
人権団体は声明で、「22日の判決は救国党の指導者や支持者に対する攻撃のひとつであり、多くの元議員や活動家が次の裁判を待っている」と非難した。
人権団体によると、これまでに起訴された反政権派は158人に達し、その多くが有罪判決を受けているという。