カンボジア政府、タイ産果物・野菜輸入禁止へ、国境紛争で緊張高まる

両国は1907年にカンボジアがフランスの植民地だった時代に策定された国境をめぐり、1世紀以上にわたって争ってきた。
カンボジアとタイの国境付近(Getty Images/AFP通信)

カンボジア政府は16日、タイが両国間の国境紛争に関連する制限を解除しない場合、タイ産の果物と野菜の輸入を停止すると警告した。

前首相であるフン・セン(Hun Sen)上院議員はテレビ演説で、タイが17日までに国境制限を解除しない場合、タイ産果物と野菜の輸入禁止措置を導入すると明らかにした。

カンボジア軍は5月28日にタイ国境沿いでパトロールを実施していたところ、タイ側が銃撃したと主張。タイ軍はカンボジア兵が国境沿いの係争地に侵入したため、威嚇射撃を行い、カンボジア兵が反撃したため応戦したと説明している。

この衝突は約10分間続き、カンボジア兵1人が死亡。現地の指揮官が互いに連絡を取り合い攻撃をやめるよう部隊に命じた。

両国の国境線の一部は未画定であり、両国が領有権を主張している。

タイのペートンタン(Paetongtarn Shinawatra)首相はカンボジアが国境地帯に治安部隊を配備したため、制限を課したと説明している。

またペートンタン氏は「二国間協議以外で提起された不適切な措置は両国の利益を損なうだけである」と主張した。

両国の当局者は週末、カンボジアの首都プノンペンで係争地に関する協議を行っていた。

カンボジア政府は15日、この国境紛争の仲介・解決を国際司法裁判所(ICJ)に要請したと発表した。

タイ外務省はこれを批判。カンボジアが二国間協議を拒否したと失望を表明し、ICJの管轄権を受け入れず、認めないと強調した。

両国は1907年にカンボジアがフランスの植民地だった時代に策定された国境をめぐり、1世紀以上にわたって争ってきた。

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