◎今回の選挙でも38年間権力の座にあるフン・セン首相率いる与党・カンボジア人民党(CPP)の圧勝が確定している。
2023年7月1日/カンボジア、首都プノンペン、与党・カンボジア人民党の集会で演説するフン・セン首相(Heng Sinith/AP通信)

カンボジアで1日、下院総選挙(定数125)の選挙運動がスタートした。

地元メディアによると、1日時点の登録有権者は約970万人。18の政党が候補者を擁立した。選挙運動の期間は7月21日まで。投票日は同23日である。

今回の選挙でも38年間権力の座にあるフン・セン(Hun Sen)首相率いる与党・カンボジア人民党(CPP)の圧勝が確定している。

地方選挙で好成績を収めてきた最大野党・カンボジア救国党(CNRP)は2018年、国家転覆を企てたという物議を醸す裁判所の判決により、下院総選挙の数カ月前に解体させられた。

この弾圧により、CPPは国会の全議席を手中に収めた。

CNRPの解体後、主に若者の支持を集めた有能な政治家や幹部のほとんどが亡命を余儀なくされた。

CNRP幹部らは裁判所の判決を「とんでもないでっち上げ」と呼び、様々な罪で投獄されることを避けるために現在も亡命中である。

下院は先週、選挙法の改正を全会一致で可決。「投票を一度でも棄権した者は被選挙権を剥奪される」ことになった。これにより、亡命した政治家は選挙に立候補できなくなった。

フン・セン氏は1990年代初頭に内戦を脱した後、ポル・ポト(Pol Pot)派閥を跡形もなく消し去った。

それ以来、同国のGDP成長率は2020年まで年率6~7%で推移。CPPは独裁政権を打倒し、圧倒的な経済成長を達成したと実績をアピールし、有権者の支持を集めてきた。

今回の総選挙には18党が候補者を擁立しているが、その多くは素性不明の新党や怪しい党で、CPPが選挙に正当性を持たせるために「強制参加させた」とみられている。

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