◎建設費は約11億ドル。滑走路の全長は3600メートル。先月運用を開始した。
カンボジアのアンコールワット遺跡近くに建設されたシェムリアップ・アンコール国際空港で16日、開港を記念する式典が開かれ、政府高官らが出席した。
この空港はアンコールワットの東方約40キロに位置し、中国が出資するプロジェクトで建設された。
建設費は約11億ドル。滑走路の全長は3600メートル。先月運用を開始した。
2020年に増設したシェムリアップ国際空港は遺跡の敷地から5キロほどしか離れておらず、離着陸の振動で遺跡が損傷する恐れがあるとして、新空港開設により運用を終えた。
中央政府によると、新空港は年間700万人の旅客に対応でき、2040年から年間1200万人に対応できるよう拡張する計画があるという。
16日の式典にはフン・マネット(Hun Manet)首相、中国大使、中国企業の代表らが出席した。
マネット氏は演説で、「旧空港は遺跡に近すぎたため、飛行機の振動によって貴重な遺跡の基礎に損傷を与える恐れがあった」と語った。
中国はカンボジアの主要同盟国であり、恩人でもある。
中国はその影響力を行使して首都プノンペンを含む国内各地に中国資本のホテルやカジノなどを多数建設。その建設費は中国の国営銀行が融資している。
カンボジアの対外債務約100億ドルの40%以上が中国の融資である。
中国の「債務トラップ」に引っかかった多くの開発途上国が債務の返済に苦労しており、スリランカは昨年、債務不履行に陥った。