カンボジア前大統領がタイ国境を視察、緊張高まる中
タイとカンボジアは1907年にカンボジアがフランスの植民地だった時代に策定された国境をめぐり、1世紀以上にわたって争ってきた。
と軍幹部たち(AP通信).jpg)
カンボジアの影の支配者であるフン・セン(Hun Sen)上院議員が26日、タイ国境を視察し、軍幹部と会談した。
同日、タイのペートンタン(Paetongtarn Shinawatra)首相もカンボジア国境を視察したが、地元メディアによると、フン・セン氏とは会わなかった。
40年近くカンボジアを統治してきたフン・セン氏は厳格な越境制限と複数の経済制裁が課せられている中、国境地帯を訪問した。
両国の関係は5月28日に国境沿いの係争地で銃撃戦が勃発して以来、緊張している。
カンボジア軍は5月28日にタイ国境沿いでパトロールを実施していたところ、タイ側が銃撃したと主張。タイ軍はカンボジア兵が国境沿いの係争地に侵入したため、威嚇射撃を行い、カンボジア兵が反撃したため応戦したと説明している。
この衝突は約10分間続き、カンボジア兵1人が死亡。現地の指揮官が互いに連絡を取り合い攻撃をやめるよう部隊に命じた。
ペートンタン氏は先週、地元メディアがリークした電話会談で、フン・セン氏に対し、「国内で圧力に直面している」と述べ、カンボジアとの国境地帯でタイ軍を監督する将校を含めた「反対派」の意見に耳を傾けないよう求めた。
野党はペートンタン氏がカンボジアの影の支配者であるフン・セン氏に国内情勢について相談し、軍幹部を軽視したことを非難している。
両国は緊張を緩和することで合意したものの、国境に増援部隊を展開したり、交易を制限するなどの措置を講じている。
フン・セン氏は訪問後、ソーシャルメディアに声明を投稿。「カンボジアとタイの国境沿いの複数の地域に追加の兵士と兵器が配備された」と書いた。
またフン・セン氏は「兵士たちはタイ軍による侵攻に備え、領土防衛の準備を整えている」と述べた。
フン・セン氏は増派がいつ行われたのか、何人の兵士とどのような兵器が配備されたかは明かさなかった。
ソーシャルメディアで拡散された動画にはタイ国境に向かう戦車部隊の姿が映っていた。いつ撮影されたかは不明である。
タイとカンボジアは1907年にカンボジアがフランスの植民地だった時代に策定された国境をめぐり、1世紀以上にわたって争ってきた。