カンボジア政府「タイ軍が避難所近くを空爆」非難の応酬続く
過去数日間で、双方合わせて数十人が死亡し、両国合わせて50万人以上が避難しているとの報告もある。
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カンボジア政府は15日、タイ軍による空爆が同国領内深くまで及んでいると非難した。
カンボジア国防省と情報省は声明で、タイ空軍のF16戦闘機が午前10時過ぎに、戦闘地域から避難している住民らが滞在する避難所付近に2発の爆弾を投下したと発表した。
爆撃は2つの地区で確認されているという。このうちシェムリアップ州の地点は国境から70キロメートル以上内陸で、避難施設が複数あり、住民の安全が深刻な脅威にさらされていると指摘している。
当局によると、シェムリアップ州の爆撃では橋も破壊されたという。同州は世界的に有名なアンコール遺跡群を抱える観光地として知られる。国防省は声明の中で、「爆撃は一般市民ではなく軍事目標を狙ったものだ」と述べたが、現場付近には避難民や民間人が多く集まっており、国際人道法に抵触する可能性があるとの懸念が強まっている。
カンボジア側は爆撃地点が避難所に接近し、周辺の集落が空爆の影響を受けたと非難している。
一方、タイ空軍の報道官は15日の記者会見で、「攻撃対象は軍事施設であり、国際法に従って民間人を標的にしていない」と強調した。
また報道官は「標的が国境からどれだけ遠いかではなく、軍事目的かどうかが基準だ」と述べ、今回の空爆が正当な軍事行動であるとの立場を示した。現地への立ち入りや検証は困難で、両政府の主張を独立して確認することは難しい状況だ。
この衝突は長年にわたる国境紛争が背景にある。両国は未確定の国境線を巡って長期間対立してきた。今年に入り緊張が一気に高まり、武力衝突が激化している。過去数日間で、双方合わせて数十人が死亡し、両国合わせて50万人以上が避難しているとの報告もある。
タイ政府はこれまで、カンボジア側が発砲や砲撃を続けていると主張し、自国の軍事行動は国境の安全保障と国民保護のためだと説明している。またタイはカンボジア軍のロケット砲や重火器の使用を非難し、軍事的優位性を強調する発言も行っている。
双方の戦闘は国境地域のみならず、民間地域にまで影響を及ぼしており、住民避難や学校閉鎖など人道的な課題を生んでいる。
国際社会はこの紛争に深刻な懸念を示しており、ASEAN諸国や国連関係者が停戦と外交的解決を求める声を上げている。だが衝突は収まらず、地域の緊張が一段と高まる見通しが強まっている。今後、両国政府間での交渉や国際仲介を通じた停戦の可能性が模索されるが、当面は不安定な情勢が続く可能性が高いとみられている。
