◎現場は南ワジリスタン地区の住宅街。パトカーが路上に設置されたIED(即席爆発装置)とみられる爆弾に接触、爆発した。
パキスタン北西部カイバル・パクトゥンクワ州でポリオ予防接種の警備に当たっていた警察車両が路上爆弾に接触し、警察官6人と民間人3人が負傷した。警察が9日、明らかにした。
それによると、現場は南ワジリスタン地区の住宅街。パトカーが路上に設置されたIED(即席爆発装置)とみられる爆弾に接触、爆発したという。
医療従事者にケガはなかった。
警察によると、犯行声明を出した組織は確認されていない。
パキスタンとアフガンは世界で唯一、ポリオを根絶できていない。パキスタンのポリオ予防接種キャンペーンは定期的に暴力に見舞われている。
パキスタンのイスラム過激派や武装勢力は米CIA(中央情報局)が国際テロ組織アルカイダの創設者ビンラディン(Osama bin Laden)を追跡する際に偽のワクチン接種活動を行ったことで、ポリオワクチンを敵視するようになった。
過激派はワクチンを「西洋の陰謀」「イスラム教徒を不妊化するウイルス」などと呼び、医療関係者らを標的にしている。
パキスタンは今週、約3000万人の子供にポリオワクチンを接種するキャンペーンを開始した。地元メディアによると、1月以来、17人の感染者が報告されている。
ポリオは脊髄性小児麻痺とも呼ばれ、5歳以下の児童がかかることが多く、麻痺などを引き起こし、死に至ることもある。
死亡率はワクチン未接種の小児で2~5%、成人は15~30%、特に妊婦は重症化リスクが高い傾向にある。