▽犯行声明を出した組織は確認されていない。
パキスタン北西部カイバル・パクトゥンクワ州で正体不明の武装集団が政府関係者を乗せた車両に向けて発砲し、数人が負傷した。警察が4日、明らかにした。
政府関係者たちは援助物資輸送トラックと共に同州クラム地区に向かっていた。
クラム地区では昨年11月にイスラム教シーア派とスンニ派のグループによる抗争が激化。武装集団がシーア派の信徒を乗せたバスや車を攻撃し、52人が死亡した。逮捕者は出ていない。
この攻撃後、いくつかの地域で敵対するグループによる報復が相次ぎ、少なくとも130人が死亡、200人以上が負傷した。
一連の戦闘を受け、クラム地区に通じる幹線道路は全て封鎖され、食料、医薬品、燃料の輸送が困難になった。
両派は2日、和平合意に達し、地区内の地下壕を解体し、武器を政府に引き渡すことを約束した、
地元メディアによると、武装集団は食料、医薬品、燃料を積んだトラックにも発砲したという。
犯行声明を出した組織は確認されていない。
カイバル・パクトゥンクワ州はアフガニスタンと国境を接し、近年テロが多発。その多くに同国最大のイスラム過激派TTP(パキスタンのタリバン運動)が関与している。
TTPとアフガンのタリバンは別組織だが、思想は共有している。TTPは現在、アフガンの山岳地帯に潜伏しているとみられ、2022年11月に中央政府との停戦協定を一方的に打ち切った。