◎鳥インフルは主に野鳥が持ち込むものであり、そのフンや唾液に触れた家禽が感染し、広がる。
ベトナム南部ビエンホアの動物園で20頭のトラが鳥インフルエンザに感染し、焼却処分された。国営テレビが4日に報じた。
それによると、トラたちは近くの養鶏場で購入した生の鶏肉を食べていたという。
国営VTVは動物園の管理者の話しとして、「20頭のトラとヒョウはあっという間に衰弱し、食べるのを嫌がるようになり、死んでしまった」と伝えている。
その後、保健所が動物園を封鎖し、トラとヒョウの遺体を焼却処分した。動物が死んだ日付は明らかになっていない。
鳥インフルは主に野鳥が持ち込むものであり、そのフンや唾液に触れた家禽が感染し、広がる。
ヒトへの感染は稀。感染したニワトリなどを扱う際には徹底した防疫対策が求められる。
専門家によると、鳥インフルに感染したニワトリを調理して食べてもヒトが感染することはないが、毛や糞がついた状態で動物に与えれば、感染する可能性があるという。
VTVによると、トラから採取したサンプルを調べた結果、H5N1に感染したことが確認されたという。
H5N1は近年、犬、猫、アシカ、ホッキョクグマに至るまで、多くの動物から検出されるようになった。
猫に感染したケースではウイルスが脳を攻撃し、血管を損傷して凝固させ、発作を起こして死に至らしめることが判明している。
VTVによると、同じ園で飼育されている20頭以上のトラはサファリゾーンから隔離されたという。この動物園ではライオン、クマ、サイ、カバ、キリンなど3000頭の動物を飼育している。
トラの世話をしていた30人のスタッフは陰性であることが確認された。
VTVによると、近隣のロンアン省にある動物園でも先月、27頭のトラと3頭のライオンが鳥インフルに感染し、1週間以内にすべて死んだという。