◎外交ボイコットを表明した国は米豪を含む4カ国に増加した。
12月8日、イギリスとカナダ政府は、来年2月に開催される予定の北京2022冬季五輪とパラ五輪を外交ボイコットすると発表した。
ボリス・ジョンソン首相は8日の議会演説で中国の人権侵害を非難し、政府関係者の派遣を見送ると述べ、カナダ政府もこれに続いた。
これで外交ボイコットを表明した国は米豪を含む4カ国に増加した。ニュージーランドはコロナウイルスの懸念により、外交官を派遣しない予定。
中国は米国の外交ボイコットを非難し、報復制裁を示唆している。
ジョンソン首相は議会質問の中で外交ボイコットを発表したが、選手は影響を受けないと強調した。
カナダのジャスティン・トルドー首相は記者会見で、「中国はカナダのボイコットに驚いていない」と語った。「私たちは過去何年にもわたって、中国の人権侵害に対する深い懸念を明確に表明し続けてきました...」
一方、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は8日、外交ボイコットを表明する国が増えているにもかかわらず、IOCは選手が大会に出席できることを嬉しく思っていると述べた。「外交官の派遣は各国政府が判断するものであり、IOCはこれからも中立の原則を守ります...」
米国は新疆ウイグル自治区におけるイスラム系少数民族ウイグル族に対する中国の弾圧と大量虐殺を非難したが、中国外務省はホワイトハウスの声明を「嘘と噂に基づいている」と却下している。
カナダと中国の関係も冷え込んでおり、2018年のファーウェイ幹部逮捕で混乱は最高潮に達した。カナダは米国の要請に基づき、中国の通信機器大手ファーウェイの孟晩舟 氏を逮捕し、中国はこの報復としてカナダ人の起業家マイケル・スパバ氏と元外交官のマイケル・コブリグ氏を逮捕・起訴した。3人は今年9月に解放され、自国に戻っている。
一方、イギリスの現地メディアなどによると、エリザベス2世の娘であるアン王女が北京2022に出席するかどうかはまだ分からないという。アン王女は国内五輪委員会の総裁とIOCの委員を務めている。
米英豪と中国の関係は、インド太平洋地域における新しい安全保障枠組みオーカス(AUKUS)の締結で急落した。米国とイギリスはオーカスに基づき、オーストラリアに初めて原子力潜水艦(非核武装)の技術を提供する予定である。
カナダのメラニー・ジョリー外相は会見の中で、「より多くの国が同様の行動を取る必要がある」と述べた。「中国に強い信号を送ることが重要です。人権侵害はいかなる理由があろうと容認されません...」
北京2022の外交ボイコットの呼びかけは、中国のテニス選手である彭帥(ポン・シュアイ)選手の失踪事件で一気に加熱した。彭帥 選手は先月、共産党の最高幹部に性的暴行を受け、セックスを強要されたと告発し、行方不明になった。
女子テニス協会(WTA)は先週、2022年の中国大会をすべて中止すると発表し、当局に適切な対応を取るよう呼びかけたが、彭帥 選手の安否は今も不明のままである。
一方、IOCのバッハ会長は彭帥 選手とオンラインで対話した際の写真を公開し、「彼女はうまくやっており、元気だ」と述べ、非難の嵐に直面した。IOCのディック・パウンド委員は先日放送されたCNNニュースのインタビューの中で、「バッハは共産党のスポークスマンになった可能性がある」と述べ、懸念を表明した。