◎ユヌス暫定政権は現在、同国を悩ませてきた汚職や腐敗を一掃する「民主的な制度」の構築という難しい使命を担っている。
バングラデシュの暫定政権を率いるユヌス(Muhammad Yunus)首相は17日、国民向けのテレビ演説で政治・選挙制度改革を断行すると有権者に約束した。
ユヌス氏は就任100日にあたり国民向けに演説。「改革には相応の時間を要する」とし、その後に総選挙を実施すると約束した。
またユヌス氏は国民に「忍耐」を呼び掛けた。
ハシナ(Sheikh Hasina)前首相は今年7月に激化した反政府デモを受け退任。8月5日にヘリコプターで国外に逃亡した。
その後、ノーベル平和賞受賞者のユヌス氏が暫定首相に就任。1971年のパキスタンとの独立戦争中の「人道に対する罪」を扱った特別法廷を再結成した。
ユヌス暫定政権は人道に対する罪を含め、ハシナ氏を100件以上の罪で告発。このデモによる死者は750人超、負傷者は数千人と報告されている。
ユヌス氏は数日以内に選挙管理委員会を発足させると発表したが、「政治、選挙、憲法に関する改革について、多くの関係者が議論している」として、選挙の具体的なスケジュールは示さなかった。
ユヌス氏は「それまでどうか我慢してほしい」と国民に呼びかけた。「私たちは何十年も続く政治・選挙制度の構築を目指しています。そのためには、ある程度の時間が必要です...」
ユヌス暫定政権は現在、同国を悩ませてきた汚職や腐敗を一掃する「民主的な制度」の構築という難しい使命を担っている。
ユヌス氏は今週、カタールの衛星テレビ局アルジャジーラのインタビューで、課題が山積していることを認めた。「過去15年間の不始末、腐敗、汚職を根絶し、同じ失敗を繰り返さないためには、システムの再構築が必要であり、それを暫定政権だけで決めることはできません...」
またユヌス氏はハシナ氏の政党・アワミ連盟を含むすべての野党がこの議論に参加していると強調した。
独立系シンクタンクの国際危機グループはハシナ氏が直面している課題を「途方もないもの」と評し、暫定政権の脆弱な関係に亀裂が生じつつあると警告している。
国際機器グループは14日に公表したレポートの中で、「今のところ、ユヌス氏は国民と同僚から広く支持されているが、国民の期待は諸刃の刃である」と指摘した。
「暫定政権が改革に失敗すれば、何の進展もないまま議会選を行うことになり、最悪の場合、軍が実権を握る可能性もある...」