バングラデシュ、2026年4月に総選挙実施へ、ユヌス氏が発表

ユヌス氏は国民に向けたテレビ演説で、選挙管理委員会が適切な時期に選挙の詳細なロードマップを公表すると明らかにした。
バングラデシュ、首都ダッカ、暫定政府を率いるユヌス首席顧問(Getty Images)

バングラデシュの暫定政府を率いるユヌス(Muhammad Yunus)首席顧問は6日、2026年4月の前半に総選挙を実施すると発表した。

ユヌス氏は国民に向けたテレビ演説で、選挙管理委員会が適切な時期に選挙の詳細なロードマップを公表すると明らかにした。

ハシナ(Sheikh Hasina)前首相は昨年7月に反政府デモが激化したことを受け退任。翌月、インドに逃亡した。

その後、ノーベル平和賞受賞者のユヌス氏が暫定政府を率いることになった。

暫定政府は先月、反テロ法に基づき、ハシナ氏の政党・アワミ連盟の活動禁止令を閣議決定した。

ハシナ氏の宿敵であるジア(Khaleda Zia)元首相率いる政党・バングラデシュ民族主義党(BNP)はユヌス氏に対し、年内に総選挙を実施するよう要求。応じない場合は国が再び不安定になる可能性があると警告してきた。

ユヌス氏は以前、選挙を25年12月から26年6月までの間に実施すると述べていた。

ユヌス氏とBNPの関係は選挙日程を巡る対立から冷え切っている。

BNPはユヌス氏が権力を維持するために選挙を遅らせていると主張している。

ハシナ政権を解体に追い込んだ学生グループとイスラム主義グループは暫定政府に改革を急ぐよう要求するも、BNPやアワミ連盟が政権を奪取した場合、「2度目の革命」を起こすと警告している。

暫定政府は人道に対する罪を含め、ハシナ氏と党幹部らを100件以上の罪で告発。インドにハシナ氏の身柄を引き渡すよう求めている。

このデモによる死者は750人超、負傷者は数千人と報告されている。

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は今年2月の報告書で、3週間の抗議デモ中に最大1400人が殺害された可能性があると述べていた。

インド政府はハシナ氏の身柄引き渡しを拒否している。

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