バングラ首都でイスラム主義政党が集会、野党に圧力かける

イスラム原理主義ジャマート・イ・イスラミ党の支持者たちは暫定政府のユヌス首席顧問に対し、公正な選挙を実施し、前政権による大量虐殺の裁判を進めるよう求めた。
2025年7月19日/バングラデシュ、首都ダッカ、イスラム政党の集会(AP通信)

バングラデシュの首都ダッカで19日、イスラム主義政党による集会が開かれ、数万人が参加した。

イスラム原理主義ジャマート・イ・イスラミ党の支持者たちは暫定政府のユヌス(Muhammad Yunus)首席顧問に対し、公正な選挙を実施し、前政権による大量虐殺の裁判を進めるよう求めた。

ユヌス氏は26年4月に総選挙を実施すると表明。ジア(Khaleda Zia)元首相率いる政党・バングラデシュ民族主義党(BNP)は年内に総選挙を実施するよう要求し、応じない場合は国が再び不安定になる可能性があると警告している。

ジャマート・イ・イスラミ党は19日の集会に100万人を動員すると表明していた。

地元メディアによると、数万人が前日から現地入りし、集会に備えたという。

同党は19日、ユヌス政権に対し、自由で公正かつ平和的な選挙の確保、ハシナ前政権に対する裁判、必要な改革の実施、昨年の一斉蜂起に関連する憲章の公布などを要求した。

同党は選挙における比例代表制の導入も求めている。

BNPはユヌス氏が権力を維持するために選挙を遅らせていると主張している。

これに対し、ハシナ前政権を解体に追い込んだ学生グループとイスラム主義グループは暫定政府に改革を急ぐよう要求するも、BNPやアワミ連盟が政権を奪取した場合、「2度目の革命」を起こすと警告している。

南西部ゴパルガンジで今週、ハシナ(Sheikh Hasina)前首相を支持するデモ参加者と機動隊が衝突し、少なくとも3人が死亡、数十人が負傷した。

ゴパルガンジには活動を禁じられている政党・アワミ連盟の拠点がある。

ハシナ氏は昨年7月に反政府デモが激化したことを受け退任。翌月、インドに逃亡した。

このデモによる死者は750人超、負傷者は数千人と報告されている。

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は今年2月の報告書で、3週間の抗議デモ中に最大1400人が殺害された可能性があると述べていた。

暫定政府は人道に対する罪を含め、ハシナ氏と党幹部らを200件以上の罪で告発。インドにハシナ氏の身柄を引き渡すよう求めている。

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