◎デモ隊はインド製品のボイコットを呼びかけ、政府にインドとの国交を断絶するよう要求した。
バングラデシュの首都ダッカで16日、インド政府のイスラム教侮辱発言に抗議するデモ行進が行われ、数千人が参加した。
デモ隊はシェイク・ハシナ・ワゼド(Sheikh Hasina Wajed)首相にインド政府の発言に公式に抗議するよう呼びかけた。
デモ隊は市中心部のモスクからインド大使館を目指したが、途中で機動隊に阻まれ、撤退を余儀なくされた。
インドのモディ(Narendra Modi)首相率いる与党「インド人民党」の報道官2人は先月末、テレビ討論会の中で、「コーラン(イスラム教の聖典)は世の中は平等だと述べているが、バカげたことを言うな」などと発言し、預言者ムハンマドを侮辱した。
同党は1人を停職、もう1人を除名処分とし、「宗教に対する侮辱を強く糾弾する」という異例の声明を発表している。
デモ隊はインド製品のボイコットを呼びかけ、政府にインドとの国交を断絶するよう要求した。
ハシナ氏はインドとの穏やかな関係を維持している。
インドの地元メディアはバングラ政府高官の発言を引用し、「ハシナ氏はこの問題をインド国内の問題と考えている」と報じた。
一方、モディ氏はこの問題について公の場で発言していない。
デモ隊は「さよならインド」「モディを倒せ」「イスラム教への侮辱は容認しない」などと叫びながら行進した。また多くの抗議者が「ウィー・ラブ・ムハンマド(We love Muhammad)」と書かれたプラカードを掲げた。
デモを主催した団体によると、機動隊はインド大使館近くでデモ隊を止め、その後、団体の代表5人が同大使館に向かうことを許可されたという。
少なくとも5つのアラブ諸国が報道官の発言を非難し、公式に抗議している。パキスタンとアフガニスタンも2人の発言に強く反発した。
インドではイスラム教徒の違法建築物とされる物件の取り締まりと取り壊しが続いており、各地で取り締まりに反発するイスラム教徒とヒンズー教徒の衝突が報告されている。