◎高裁は1日、被告側の訴えを全面的に認め、49人全員に無罪を言い渡した。
バングラデシュの高等裁判所は1日、ジア(Khaleda Zia)元首相の息子ラフマン(Tarique Rahman)被告を含む49人の有罪判決を覆し、無罪を言い渡した。
ジア氏はインドに逃亡したハシナ(Sheikh Hasina Wajed)前首相の長年のライバルであり、ロンドンに亡命している。
ラフマン氏は最大野党・バングラデシュ民族主義党(BNP)の暫定党首を務めている。
ラフマン氏と他の48人は2018年、ハシナ氏の支持者が開いた集会を標的にした襲撃事件で有罪となり、うち19人が死刑判決、ラフマン氏は終身刑を言い渡されていた。
BNPはこの判決を政治的動機によるものと非難していた。
高裁は1日、被告側の訴えを全面的に認め、49人全員に無罪を言い渡した。
判決後、弁護団の代表はハシナ政権下の裁判を「違法」と断じた。
ハシナ氏は今年7月に激化した反政府デモを受け退任。8月5日にヘリコプターで国外に逃亡した。
その後、ノーベル平和賞受賞者のユヌス(Muhammad Yunus)氏が暫定首相に就任した。
ユヌス暫定政権は人道に対する罪を含め、ハシナ氏を100件以上の罪で告発。このデモによる死者は750人超、負傷者は数千人と報告されている。
ハシナ氏の政党・アワミ連盟は1日、フェイスブックに声明を投稿し、高裁の判決を批判した。
検察はコメントを出しておらず、上告するかは不明である。
ユヌス暫定政権は現在、同国を悩ませてきた汚職や腐敗を一掃する「民主的な制度」の構築という難しい使命を担っている。