バングラデシュで「デング熱」と「チクングニア熱」同時流行
専門家は蚊の駆除活動を強化しなければ危機が深刻化する恐れがあると警告している。
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バングラデシュで蚊が媒介する「デング熱」と「チクングニア熱」が同時に流行し、医療機関が対応に追われている。
デング熱はネッタイシマカやヒトスジシマカなどの蚊を媒介として広がるウイルス性感染症である。
高熱、激しい頭痛、関節痛、筋肉痛、発疹などを特徴とし、重症化するとデング出血熱やデングショック症候群を引き起こし命に関わる。
ワクチンや特効薬は限定的で、主な対策は蚊の発生源対策と刺咬予防である。
チクングニア熱はチクングニアウイルスを原因とする蚊媒介性感染症で、ネッタイシマカやヒトスジシマカによって広がる。
潜伏期は2〜12日で高熱、激しい関節痛、頭痛、筋肉痛、発疹などを特徴とする。致死率は低いが、関節痛が長期間続く場合がある。特効薬やワクチンはなく、治療は対症療法と蚊の制御が中心となる。
バングラ当局は今後数週間でさらに感染者が増えると予想している。
保健当局によると、1~9月初めまでのデング熱感染者は3万3800人以上、死亡者は132人となっている。
9月第1週だけで少なくとも10人が死亡し、発熱症状で1500人以上が病院に搬送された。
長年確認されていなかったチクングニア熱も猛威を振るっている。
1月から7月にかけて、首都ダッカの4つの検査機関で785例のウイルス感染が確認され、一部施設では検出率が30%を超えた。
港湾都市チッタゴンでは24時間で30例の感染を報告。同市の今年度の累計感染者数は3000人に達した。
各地の病院は対応に追われている。国内最大のダッカ医科大学病院では病棟が患者であふれかえり、収容定員の3倍以上の患者が収容されている。
専門家は蚊の駆除活動を強化しなければ危機が深刻化する恐れがあると警告している。