▽バングラとインドはハシナ氏の立場をめぐって激しく対立している。
バングラデシュ外務省は7日、インド政府に対し、ハシナ(Sheikh Hasina Wajed)前首相による「でっち上げ」発言を止めるよう要請した。
インド外務省はこれを受け、駐バングラ大使を召喚。「ハシナ氏は個人的に発言しただけだ」と応戦した。
またインド外務省は「ハシナ氏の発言とインドの立場を混同すべきでなく、関係改善につながらない」と批判した。
ハシナ氏は昨年7月に激化した反政府デモを受け退任。8月5日にヘリコプターでインドに逃亡した。
その後、ノーベル平和賞受賞者のユヌス(Muhammad Yunus)氏が暫定首相に就任した。
ユヌス暫定政権は人道に対する罪を含め、ハシナ氏を100件以上の罪で告発。このデモによる死者は750人超、負傷者は数千人と報告されている。
それ以来、バングラとインドはハシナ氏の立場をめぐって激しく対立している。
ハシナ氏は5日、オンライン演説でバングラ暫定政府に抗議するよう支持者に呼びかけ、「暫定政府が暴動を煽り、憲法を破壊して国を占領した」と主張した。
首都ダッカではこの演説に抗議する数百人のデモ隊がハシナ氏の生家を襲撃。重機で破壊した。
バングラ外務省は声明で、インド大使に抗議したと明らかにした。「同省はインドに対し、相互尊重と理解の精神に則り、彼女がこのような虚偽、捏造、扇動的な発言をしないよう、直ちに適切な措置をとるよう要請した...」
これに対してインド外務省はバングラ大使を召喚。「バングラ政府の発言は個人の個人的な発言を批判するものであり、受け入れられない」と非難した。
また同省は「インドは互恵的な関係を維持するよう努めるが、バングラには雰囲気を悪化させることなく、まともな対応をするよう期待する」とした。
さらに同省はダッカでハシナ氏の生家が攻撃を受けたことを非難。「政府は個人の財産が攻撃を受けたにもかかわらず、破壊行為を容認している」と断じた。