SHARE:

バングラデシュ、米国と関税協定締結、19%に引き下げ

この協定は9日に署名されたもので、特定の繊維・アパレル製品については米国産原料を使用した場合に無税となる仕組みを設けることで両国が合意した。
バングラデシュのアパレル縫製工場(AP通信)

バングラデシュの暫定政権は9日、米国との間で新たな関税協定を締結し、米国向け輸出品に対する相互関税率を19%に引き下げることが決まったと発表した。この協定は9日に署名されたもので、特定の繊維・アパレル製品については米国産原料を使用した場合に無税となる仕組みを設けることで両国が合意した。暫定政権を率いるユヌス(Muhammad Yunus)首席顧問は声明で、この協定を通じて米国市場での競争力を強化すると強調した。

米国は当初、バングラ製品に最大37%の関税を課す方針を示していたが、2025年8月に20%への引き下げが実現していた。今回さらに1ポイント低い19%への引き下げが確定し、衣料品輸出企業にとって利益となる見込みだ。協定には、米国が一定数量のバングラ製アパレル・繊維輸入品について無税で受け入れるためのメカニズムを確立することも盛り込まれ、対象は米国製の綿花や合成繊維を使用した製品となる。

この関税措置は世界有数の衣料品輸出国であるバングラ経済にとって極めて重要だ。同国の衣料品産業は輸出総額の80%超を占め、約400万人の雇用を支える主力産業であり、国内総生産(GDP)の10%に達している。米国市場はバングラのアパレル産業にとって最大級の輸出先の一つで、今回の関税引き下げは業界関係者にとって歓迎される結果となっている。

協定は両国の非関税障壁の緩和にも踏み込み、バングラは米国の安全基準や認証制度を受け入れることに同意した。また、一部の米国製品の輸入に対する制限を撤廃することで、米側の工業製品や農産品がバングラ市場により容易にアクセスできるようにする条項も含まれている。これには化学製品、医療機器、機械類、自動車部品、さらに大豆製品や乳製品、牛肉、鶏肉、ナッツ、果物などが含まれるという。

交渉は2025年4月に始まり、9ヶ月に及んだ。ユヌス氏は協定締結について、「歴史的な二国間経済・貿易関係の新たな段階への一歩」と評価し、米側との協力関係が強化されたと語った。バングラ側の交渉団を率いた国家安全顧問は、衣料品輸出企業が今回の関税引き下げと無税枠の恩恵を受けることにより、競争力がさらに高まるとの見通しを示した。

協定には労働権や環境保護の国際的基準を順守するコミットメントも盛り込まれている。バングラは労働者の安全や権利保護、環境保全に関する取り組みを強化するとしており、これが米側の市場アクセス拡大の条件となった側面もある。

この合意はバングラがに暫定政権下で政治・経済の安定を模索する中で達成されたもので、国政選挙を控えた時期に実現した。政権交代を見据えつつ、経済政策の成果として評価される可能性もあるが、今後の実施には両国の国内手続きや通知の完了が必要となる。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします