バングラ前首相が暫定政権を批判、来月総選挙に暗雲
ハシナ氏は2024年夏の学生らによる大規模デモを弾圧したとして特別法廷で死刑判決を言い渡された。
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バングラデシュのハシナ(Sheikh Hasina)前首相は29日、亡命先のインドから、2月12日に予定されているバングラの総選挙を強く批判した。ハシナ氏は自身の政党・アワミ連盟が選挙から排除されたことを受け、政治的包摂が欠ける選挙は国の分断を深め、将来の不安定化を招くと主張している。
ハシナ氏は2024年夏の学生らによる大規模デモを弾圧したとして特別法廷で死刑判決を言い渡された。同氏はこのデモを受け、インドに逃亡した。
ハシナ氏は声明の中で、「有権者の大部分が政治参加を拒否されるたびに、憤りが深まり、制度の正当性が損なわれ、将来の不安定化の条件が作られる」と強調した。また「排除によって生まれた政府は分断された国を団結させることはできない」と述べた。
今回の総選挙はハシナ氏失脚後、初めての全国投票となる。バングラの有権者は1億2000万人を超え、憲法改正を伴う政治改革を問う国民投票も同時に行われる見込みだ。暫定政権はノーベル平和賞受賞者のユヌス(Muhammad Yunus)首席顧問が率い、選挙の公平性を確保するとして国際監視団や人権団体の参加を認めている。
ユヌス暫定政権は国内外の治安部隊を動員し、選挙期間中の秩序維持に努めるとしているが、反対派や人権団体からは選挙過程の透明性や包摂性に疑問を呈する声が出ている。またアワミ連盟の排除は何百万人もの支持者を政治的に孤立させる可能性があるとして批判の的になっている。
選挙戦ではハシナ氏のライバルであったバングラデシュ民族主義党(BNP)のラーマン(Ziaur Rahman)氏が主要候補として浮上している。ラーマン氏は昨年12月に17年以上の亡命生活から帰国し、安定と改革を掲げて支持を集めている。一方、イスラム原理主義ジャマート・イ・イスラミ党が率いる連合も主要勢力として台頭している。
ハシナ氏は政治的な禁止措置と選挙ボイコットの連鎖を断ち切らなければならないと述べ、「それをしなければ救済はない」と訴えた。また「国は人民の真正な同意のもとで統治される正当な政府を必要としている」と強調し、「それが国の傷を癒す最良の方法だ」と結んだ。
この声明は厳しい政治的対立が続くバングラ国内の緊張を反映している。人権団体や少数民族グループは暫定政権が市民の権利を十分に保護していないと批判しており、報道の自由に対する圧力や治安当局による弾圧の懸念も高まっている。こうした中で2月の選挙が自由で公正なものとなるか、国内外の注目が集まっている。
