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バングラデシュで麻しんワクチン接種キャンペーン始まる


ラーマン政権は5日、100万人以上の子どもを対象とする緊急の予防接種計画を開始した。
麻しん(はしか)ウイルス(ABCニュース)

バングラデシュで麻しん(はしか)の感染が急速に拡大し、政府が大規模な緊急ワクチン接種キャンペーンに乗り出した。子どもを中心に感染が広がっており、公衆衛生上の深刻な懸念となっている。

ラーマン政権は5日、100万人以上の子どもを対象とする緊急の予防接種計画を開始した。感染は国内各地で拡大し、特に医療体制が脆弱な地域で影響が広がっている。麻しんは極めて感染力が強く、ワクチン未接種の子どもを中心に急速に広がる特徴がある。

今回の流行ではすでに多数の子どもが感染し、死亡例も報告されている。地元メディアによると、数十人の子どもが死亡し、例年に比べても感染者数・死者数ともに増加しているという。 政府は感染拡大のスピードに強い危機感を示し、迅速な対応が不可欠と判断した。

感染拡大の背景には過去のワクチン接種の遅れがあると指摘されている。2024年に予定されていた全国規模の予防接種キャンペーンは政治的混乱の影響で延期され、その結果として免疫を持たない子どもが増えた可能性がある。さらに、今回の流行では乳児の感染も多く報告され、集団免疫の低下が浮き彫りとなっている。

麻しんはワクチンによって予防可能な感染症であり、通常は生後9カ月以降に接種が推奨される。世界保健機関(WHO)などは、流行時には6カ月から11カ月の乳児にも追加接種を行うことを推奨している。感染力が非常に強く、免疫を持たない集団では1人の感染者が多数に広げるため、迅速なワクチン接種が流行抑制の鍵となる。

今回のキャンペーンでは、まず感染リスクの高い地域から優先的に接種が進められる。保健当局は医療チームを各地に派遣し、子どもたちへの迅速な接種を進めるとともに、感染者の追跡や隔離などの対策も強化している。特に農村部や貧困地域では医療アクセスが限られているため、移動式の接種チームが投入される予定だ。

バングラデシュはこれまで予防接種の普及において一定の成果を上げてきた国でもある。長年にわたり国家的な予防接種計画を推進し、多くの感染症の抑制に成功してきた。しかし、今回のように接種の空白期間が生じると、感染症が再び拡大するリスクがあることが改めて示された形となった。

専門家は今回の流行について、一国の問題にとどまらないと指摘する。麻しんは国境を越えて拡大する可能性があり、ワクチン接種率の低下は世界的な課題となっている。実際、各地で麻しんの再流行が報告され、予防接種体制の維持と強化が求められている。

ラーマン(Tarique Rahman)首相は今回の緊急対応により感染拡大の抑え込みを図る考えだが、短期間でどこまで効果を上げられるかは不透明である。今後は継続的な予防接種の実施と、医療体制の強化、そして市民への啓発活動が不可欠となる。

急速に広がる麻しんに対し、バングラデシュが封じ込めに成功するかは、今後の公衆衛生政策の試金石となる。今回の事態は予防接種の重要性と、その継続的な実施の必要性を浮き彫りにしている。

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