▽乗客乗員67人のうち38人が死亡、29人が病院に搬送された。
カザフスタン西部アクタウ近郊にアゼルバイジャン航空の旅客機が墜落した事故について、複数のメディアが26日、ロシアの防空システムが同機を誤った迎撃したと報じた。
アゼルバイジャン航空8432便は25日、アゼルの首都バクーからロシア南部チェチェン共和国に向かう途中、アクタウに墜落。乗客乗員67人のうち38人が死亡、29人が病院に搬送された。
AP通信などはアゼルバイジャン当局者の話しとして、「ロシアの対空ミサイルが原因であると結論付けた」と報じている。
アゼル当局はこの事故に関する調査結果をまだ公表していない。
トルコ国営アナトリア通信は調査に詳しい情報筋の話しとして、「ロシア当局と連絡を取り合っている」と報じた。
ロイター通信は同機がチェチェン・グロズヌイに進入した際、ロシア防空部隊の電子戦システムによって通信が使えなくなり、地上部隊が同機に向けてミサイルを発射したと報じている。
APは情報筋の話しとして、「ウクライナ軍のドローンがこの空域に何度も進入していたため、それと間違えて攻撃した可能性がある」と報じた。
ユーロニュースはアゼル政府筋の話しを引用し、「パイロットがロシアの管制室に緊急着陸を要請したものの、着陸を許可されず、カスピ海を横断してアクタウに向かうよう指示された」と伝えている。
ロシア当局は当初、バードストライク(鳥の衝突)によりエンジンが損傷し緊急着陸を余儀なくされたと発表していた。
しかし、墜落した機体の尾翼部分に目に見える損傷があることから、ロシアの防空システムが原因という疑惑が浮上した。
ロシア大統領府は26日、この事故について、「詳細な調査結果が明らかになるまで、仮説を立てるべきではない」と述べた。
アゼルとカザフは旧ソ連構成国であり、ロシアの緊密な同盟国である。