オーストラリア、パレスチナ国家承認へ、9月の国連総会で

ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は10日午後の時点で6万1369人、負傷者は15万2850人となっている。
オーストラリアのアルバニージー首相(左)とイスラエルのネタニヤフ首相(Getty Images)

オーストラリアのアルバニージー(Anthony Albanese)首相は11日、来月の国連総会でパレスチナ国家を承認すると表明した。

アルバニージー氏は11日の閣議後、記者団に対し、「オーストラリアは9月の国連総会でパレスチナ国家を正式に承認する」と語った。

またアルバニージー氏は「この承認はパレスチナ当局から受けた約束に基づいている」と説明した。

G7のフランス、イギリス、カナダの首脳も来月パレスチナを承認する予定だ。

オーストラリア国内では数週間前からガザ紛争の惨状を受け、パレスチナ国家の承認を促す声が高まっていた。

アルバニージー氏は先週、ガザ地区全土を占領するというネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相の計画を批判していた。

アルバニージー氏は記者団に対し、「パレスチナ(自治政府)との約束にはイスラム組織ハマスを認めないこと、ガザの非軍事化、選挙の実施が含まれている」と語った。

またアルバニージー氏は「パレスチナとイスラエルの二国家解決は中東の暴力の悪循環を断ち切り、ガザの紛争、苦境、飢餓を終結させることができる」と強調した。

国連加盟193カ国のうち150カ国近くがパレスチナ国家を承認済み。その大半が数十年前に承認している。

しかし、どの国も米国の支援を受けるイスラエルを止めることができずにいる。

過激なイスラム主義者は国連を「役立たずのゴミ」と呼び、湾岸諸国に対し、イスラエルに総攻撃を仕掛け、ガザを解放するよう促している。

イスラエルの最大都市テルアビブで10日、ガザ紛争の即時終結と人質の解放を求めるデモ行進が2日連続で行われ、数千人がネタニヤフ政権の計画に抗議した。

このデモに参加した女性はロイター通信の取材に対し、「この戦争を終わらせることができるのはトランプ(Donald Trump)大統領だけだ」と語った。

ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は10日午後の時点で6万1369人、負傷者は15万2850人となっている。

多くのボランティアが行方不明者を捜索している。建物の倒壊に巻き込まれるなどして行方不明になった市民は1万~1万4000人と推定されている。

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