◎AUSを含む太平洋諸国と米国はソロモン諸島に中国軍基地が建設される可能性に深刻な懸念を表明している。
オーストラリア政府は5日、南太平洋ソロモン諸島の指導者が「脅迫を受けた」と主張したことについて、政府は安全保障当局の助言に従って二国間関係を管理していると説明した。
ソロモン諸島のソガバレ首相は4日の議会演説で、「中国との安全保障協定に反対する国に脅迫を受け、協定を侮辱された」と述べていた。
ソガバレ首相は国名には言及しなかった。
AUSを含む太平洋諸国と米国はソロモン諸島に中国軍基地が建設される可能性に深刻な懸念を表明している。
ソガバレ首相は、「関係国はソロモン諸島が南太平洋の安全保障に影響を与えた場合、軍事介入も辞さないという姿勢を示している」と憤慨した様子で語ったとされる。
スコット・モリソン首相はソガバレ首相が脅迫を受けたと言及したことについて、西側がソロモン諸島に「侵攻」するなどあり得ないと一蹴した。
モリソン首相は野党労働党の指導者にソガバレ首相と電話会談するよう促されたが、拒否している。
モリソン首相はシドニーの記者団に、ここ数カ月の間にソガバレ首相と話したと説明したが、時期や協議の詳細は明らかにしなかった。
与党自由党の政策に反対する労働党は5月21日の選挙で勝利した場合、ソロモン諸島とより緊密な関係を構築すると約束している。
労働党のアルバネーゼ党首はSNSに、「モリソン首相の電話会談拒否は、この問題を解決するうえで何が必要かを物語っている」と投稿した。「政府はソロモン諸島の問題でボールを落としてしまったのです...」
モリソン首相は先月、ソロモン諸島に中国軍基地が建設される可能性に懸念を表明し、「AUSは米国とレッドラインを共有している」と警告していた。ただし、両国は中国軍が進出した場合にどのような対応を取るかは明らかにしていない。
ソガバレ首相は4日の演説で中国軍が進出する可能性をあらためて否定した。「私たちは拳銃を手に歩き回る幼稚園児のように扱われているのです。私たちは侮辱されているのだ!」
モリソン首相はソロモン諸島の動向を注視する必要があると強調した。「ソガバレ首相は中国政府と秘密の協定を結びました。私たちはAUSとソロモン諸島の安全保障を守るために、パートナーと責任を持って状況を管理します。私たちはソロモン諸島の今後を非常に憂慮し、南太平洋の安全保障に大きな関心を寄せています。同盟国の指導者も懸念しています...」
野党は中国に不意を突かれたモリソン首相を厳しく批判している。
ソロモン諸島と中国は安全保障協定の最終版を公表していないが、3月末にリークされた協定の草案によると、中国は「社会秩序を維持するために、ソロモン諸島の要請に基づき、中国軍(警察含む)の派遣を認める」としている。
また相手国の書面による同意がない限り、どちらも任務を公にすることを許されない。