◎野党・自由党はアルバニージー氏を「音痴」と呼び、与党・労働党の複数の議員も「度肝を抜かれた」とショックを隠せない。
オーストラリアのアルバニージー(Anthony Albanese)首相が立派な豪邸を購入したとして、非難を浴びている。
来年の議会選で勝利を目指すアルバニージー氏は人口の大多数を占める低中所得者層が頑固なインフレにウンザリし、住宅価格の高騰が収まらぬ中、430万豪ドル(約4億2900万円)の豪邸を購入した。
野党・自由党はアルバニージー氏を「音痴」と呼び、与党・労働党の複数の議員も「度肝を抜かれた」とショックを隠せない。
アルバニージー氏は16日、自身の決断を擁護したうえで、「インフレや住宅価格の高騰による苦労がどのようなものか知っている」と述べ、ニューサウスウェールズ州セントラルコーストの崖の上にある立派な家を購入したと認めた。
ABC(オーストラリア放送協会)によると、この物件はベッドルーム4室、バスルーム3つ、カーポート3つなどで構成され、美しい景色を独り占めできる。先月430万豪ドルで売却されたが、まだ決済されていないようだ。
アルバニージー氏は新居のニュースが流れた日の記者会見で、「自分は収入面で多くの国民より恵まれていると自覚しているが、それでも皆の苦労には共感できる」と語った。
「私の母は65年間ずっと、自分が生まれた公営住宅に住んでいました。だから私は、すべての国民が家を持てるようにしたいのです...」
アルバネーゼ氏の労働党は手頃な価格の住宅建設のために100億豪ドルの投資基金を設立した。しかし、緑の党や一部の無党派層からの支持が得られておらず、関連法案の議会通過に苦労している。
最大都市シドニーの住宅価格の中央値は1億円を超え、手取り年収が2000万円程度ないと住宅の購入は難しいとされる。その他の都市の住宅価格もこの数年、軒並み上昇している。