◎国内の労働力だけで経済界をフル回転させることは難しく、人手不足を解消するためにはスキルを持つ移民や永住権取得希望者が欠かせない。
オーストラリア政府は2日、技能・人手不足を解消する取り組みとして、今年度の永住権取得者を3万5000人増やし、19万5000人とすると発表した。
オニール(Clare O’Neil)内相はキャンベラで行われた会合で、来年6月30日までに移民の受け入れ数を増やすと明らかにした。
この会合には政府、企業、産業界の代表約140人が出席した。
オニール氏は医療機関の看護師が不足していることに言及し、「コロナからAUSを救った看護師たちはこの2年間、2交代、3交代で働いた」と語った。
またオニール氏は航空会社や農業分野でも人出が不足していると警告し、スキルを持つ移民の受け入れ拡大に理解を求めた。
オーストラリア放送協会(ABC)によると、国内の労働力だけで経済界をフル回転させることは難しく、人手不足を解消するためにはスキルを持つ移民や永住権取得希望者が欠かせないという。
オニール氏は「優秀な移民の多くがAUSではなくカナダ、ドイツ、イギリスへの移住を選択している」と指摘した。
またオニール氏はAUSの移民受け入れプログラムについて、「70以上の難解なビザプログラムがあり、非常に複雑である」と述べた。
オニール氏は移民受け入れプログラムを再構築する専門家委員会を創設する予定と明らかにした。
アルバニージー(Anthony Albanese)首相は1日の演説で、国内の技能・人手不足を解消するため、11億AUSドル(約1050億円)かけて、来年、職業教育学校に18万人分の無料枠を設けると発表した。
AUSはコロナ流行開始から約20カ月間、西側諸国の中で最も厳しい渡航制限を課し、昨年12月から高いスキルを持つ移民の受け入れを再開した。