◎今年5月、準州を除くすべての州で安楽死が合法化された。
オーストラリア議会は1日、2つの準州に対する安楽死禁止令を解除する法案を提出した。
北部の準州ノーザン・テリトリーは1995年に世界で初めて安楽死を合法化した。しかし、連邦議会はこの法律を2年後に停止した。
ノーザンテリトリーの選挙区を代表するゴスリング(Luke Gosling)下院議員は1日、「この地域で生活する人々は長い間、二級市民として扱われてきた」と述べ、オーストラリア首都特別地域選出の議員と起草した法案を提出した。
この法案はノーザンテリトリーとAUS首都特別地域の安楽死を認めるとしている。
2つの準州は、近年安楽死を合法化した6つの州と同じ法的権限を持っていない。連邦議会は準州の法律を差し止めることはできるが、州法はできない。
首都キャンベラで生活する女性はオーストラリア放送協会(ABC)の取材に対し、「安楽死を認める地域と認めない地域があるのはおかしい」と語った。
1997年にノーザンテリトリーの法律を差し止めた保守党は2018年の政権奪取後、禁止令を解除する法案を提出したが、上院で否決された。
最初に安楽死を合法化したのはビクトリア州で2019年6月。そして今年5月、最大都市ニューサウスウェールズ州もそれを認め、すべての州で安楽死が合法化された。
5月に発足したアルバニージー(Anthony Albanese)政権(労働党)は議会議員に、党の方針ではなく個人の考えに基づいて法案に投票するよう呼びかけている。
カトリック教会は法案に反対するよう働きかけている。