▽オーストラリア準備銀行(中銀)は先月初め、4年ぶりに政策金利を4.35%から4.1%に引き下げた。この結果、買い手心理が高まり、価格を押し上げた。
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不動産コンサルタントのコアロジックが3月31日に公表したデータによると、3月の全国不動産価格は2月から0.4%上昇し、82万331豪ドル(約7700万円)に達した。
オーストラリア準備銀行(中銀)は先月初め、4年ぶりに政策金利を4.35%から4.1%に引き下げた。この結果、買い手心理が高まり、価格を押し上げた。
タスマニア州の州都ホバートを除く都市でプラスとなり、最大都市シドニーは0.3%、メルボルンは0.5%上昇した。
コアロジックはレポートの中で、「2月の利下げ後のセンチメントの改善が価格好転の最大の要因だろう」と述べ、利下げが借入余力と住宅ローン返済能力の改善につながったと指摘した。
またコアロジックは「利下げサイクルは長引くと予想されるため、上昇傾向はしばらく続く」とした。
アルバニージー(Anthony Albanese)首相は先週、5月に予定されている総選挙を前に、住宅購入希望者を支援する制度を拡充すると発表した。
アルバニージー氏の労働党は都市部の住宅価格が高騰する中、2030年までに120万戸の住宅を建設することを公約に掲げている。
総選挙では「手頃な価格」の住宅が争点のひとつになると予想されている。
オーストラリアの不動産市場はしばらく停滞していたが、裕福な投資家と限られた供給量に後押しされ、2年ほど前に上昇に転じた。
昨年後半には10年来の高金利の重圧を感じながも、中銀が利下げに踏み切ったことで安心感が高まり、3ヶ月間のわずかな下落から一気に急上昇した。
中銀は4月1日の政策決定会合で金利を4.1%に据え置くと予想されている。