◎事故は8月12日未明に発生。航空局の許可を得ずに飛行していたヘリが屋上に墜落。ホテルの宿泊客2人が煙を吸って一時入院し、400人が避難を余儀なくされた。
オーストラリア・クイーンズランド州ケアンズのホテル屋上にヘリコプターが墜落し、男性パイロットが死亡した事故について、運輸安全局は10日、パイロットがアルコールの影響を受けていたと明らかにした。
事故は8月12日未明に発生。航空局の許可を得ずに飛行していたヘリが屋上に墜落。ホテルの宿泊客2人が煙を吸って一時入院し、400人が避難を余儀なくされた。
運輸安全局は最終報告書で、「4分間の飛行は許可されておらず、墜落した機体に異常はみられなかった」とした。
パイロットはニュージーランド国籍の23歳男性。このヘリの運航会社ノーチラス・アビエーションに4月から雇用されていた。
同局によると、男性はオーストラリアとニュージーランドの商用パイロット免許を持ち、以前にもこのヘリを操縦したことがあった。しかし、男性は夜間飛行の資格を持っていなかったという。
また男性は事故前夜、自宅アパートに戻るまでケアンズ市内のいくつかのバーで同僚や友人と酒を飲んでいたことも明らかになった。
同局は「この飛行は男性が意図的に行ったものであったが、なぜ飛行したかは分かっていない」とした。
ヘリの運航会社はパイロットに対し、乗務前後でのアルコール検知器による検査を実施し、アルコールが検知された場合(酒気帯び状態)は乗務を禁じている。