イランがオーストラリアとの関係格下げ=国営メディア
オーストラリア政府は先月末、イランがオーストラリア国内で発生した2件の反ユダヤ事件を組織したと非難し、イランとの外交関係を断絶すると発表した。
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イラン政府がオーストラリアとの関係を格下げした。国営イラン通信(IRNA)が4日に報じた。
オーストラリアのアルバニージー(Anthony Albanese)首相は先月末、イランがオーストラリア国内で発生した2件の反ユダヤ事件を組織したと非難し、イランとの外交関係を断絶すると発表した。
IRNAによると、駐イラン・オーストラリア大使は既にイランを離れたという。IRNAはイラン外務省報道官の声明を引用し、「イランの領事部門はオーストラリアで活動しており、現地のイラン人の領事ニーズを満たすよう努める」と報じた。
また報道官は「外交上の規範と権利に基づき、オーストラリアの行動への対応として、イランはオーストラリア外交団のレベルを格下げした」と述べた。
さらに、オーストラリア政府が主張している反ユダヤ事件への関与も否定した。
オーストラリアの情報機関は24年10月にシドニーの食品会社で発生した放火事件と、その2か月後にメルボルンのシナゴーグで起きた放火事件の両方について、イラン当局が攻撃を指示したと結論付けた。
イランのアラグチ(Abbas Araghchi)外相は反ユダヤ事件への関与を否定し、アルバニージー氏を「弱い政治家」と呼んだ。
オーストラリアでは23年10月にガザ紛争が始まって以来、ユダヤ人コミュニティへの嫌がらせや暴力が相次いでいる。
最大都市シドニーとメルボルンにはオーストラリアのユダヤ系住民の85%が住んでいる。
オーストラリア放送協会(ABC)によると、同国ではイスラム教徒に対するヘイトクライムや暴力事件も急増しているという。
アルバニージー政権は昨年、反ユダヤと反イスラムに対抗するため、特別大使を任命した。