オーストラリア、イランとの国交断絶、反ユダヤ事件めぐり
情報機関は24年10月にシドニーの食品会社で発生した放火事件と、その2か月後にメルボルンのシナゴーグで起きた放火事件の両方について、イラン当局が攻撃を指示したと結論付けた。
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オーストラリアのアルバニージー(Anthony Albanese)首相は26日、イランがオーストラリア国内で発生した2件の反ユダヤ事件を組織したと非難し、イランとの外交関係を断絶すると発表した。
それによると、情報機関は24年10月にシドニーの食品会社で発生した放火事件と、その2か月後にメルボルンのシナゴーグで起きた放火事件の両方について、イラン当局が攻撃を指示したと結論付けたという。
アルバニージー氏は記者会見で、「この発表の直前、政府は駐イラン大使に国外退去を通知。さらにイラン駐在のオーストラリア外交官を第三国へ撤退させた」と明らかにした。
またアルバニージー氏はイラン在住のオーストラリア人に対し、早急な出国を強く検討するよう促した。
イランの在オーストラリア大使館は近日中に閉鎖される見通しだ。
オーストラリア外務省は声明で、「イラン国内のオーストラリア人及びオーストラリアとイランの二重国籍保有者は恣意的な拘束や逮捕の危険性が極めて高い」と警告した。
また同省はイランへの渡航警戒レベルを最高の「渡航禁止」に引き上げた。
イランのアラグチ(Abbas Araghchi)外相は反ユダヤ事件への関与を否定し、アルバニージー氏を「弱い政治家」と呼んだ。
オーストラリアでは23年10月にガザ紛争が始まって以来、ユダヤ人コミュニティへの嫌がらせや暴力が相次いでいる。
最大都市シドニーとメルボルンにはオーストラリアのユダヤ系住民の85%が住んでいる。
ABCによると、同国ではイスラム教徒に対するヘイトクライムや暴力事件も急増しているという。
アルバニージー政権は昨年、反ユダヤと反イスラムに対抗するため、特別大使を任命した。