豪シドニー銃乱射事件、「銃規制」強化へ、15人死亡
アルバニージー首相は15日、連邦政府と各州首相による全国閣僚会議を招集し、銃規制の見直しを速やかに進めることを決定した。
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オーストラリア政府は15日、シドニー近郊のボンダイビーチで起きた銃乱射事件を受けて、銃規制を大幅に強化する方針を表明した。
事件は14日午後、ユダヤ教の祭日「ハヌカ」のイベントの最中に発生し、15人が死亡、数十人が負傷した。政府はこの事件を反ユダヤ主義に基づくテロと断定し、包括的な法整備を進める考えを示している。
警察によると、犯行に及んだのは50歳の男とその息子(24歳)で、父親は現場で警察官に射殺され、息子は意識不明の重体となっている。事件に使われた銃器は合法的に所有されていたもので、父親は6丁の銃器を所有していたという。犠牲者には10歳の少女やホロコーストの生存者、ラビ(ユダヤ教指導者)などが含まれており、警察はこの事件をテロと断定して捜査を進めている。
この惨事を受け、アルバニージー(Anthony Albanese)首相は15日、連邦政府と各州首相による全国閣僚会議を招集し、銃規制の見直しを速やかに進めることを決定した。
アルバニージー氏は記者会見で「政府は必要な措置を取る用意がある。より厳しい銃規制はその一部だ」と述べ、武器所持の上限設定や銃器所有者のライセンス更新制度の強化などを提案すると表明した。
現行の銃規制は1996年のポートアーサー銃乱射事件を契機に制定、自動小銃やセミオートマチック銃の所持が厳しく制限されている。しかし、今回の事件で使用された自動小銃は合法的に保有されていたことから、政府内外で規制の網の目の甘さを指摘する声が強まっていた。このため閣僚会議では、銃の総数制限や定期的な適性審査の徹底、国全体の銃器データベース構築などが議題に上がったとされる。
この事件はオーストラリア国内に大きな衝撃を与えており、各地で犠牲者を悼む集会や追悼式が行われている。シドニーではボンダイビーチ近くに献花台が設けられ、多くの市民が足を運んでいる。また赤十字社が負傷者支援のための献血を呼び掛けると、サイトにアクセスが殺到するなど、市民による支援の動きも広がっている。
ユダヤ人コミュニティの指導者らはオーストラリア政府に対し、これまでの反ユダヤ主義対策が不十分だったと批判。一層の取り組み強化を求めている。国際的にもこの事件に対する非難の声が上がり、イスラエル政府などから支援の表明がなされている。
政府は銃規制強化案を年内に議会に提出し、迅速な法改正を目指す構えだ。オーストラリアにおける銃規制の強化は、過去最大級の見直しとなる可能性がある。社会では銃暴力の根絶に向けた議論が一段と深まることが予想される。
