◎マライズ・ペイン外相は記者団に対し、「私たちはミャンマー軍に拘束されたショーン・ターネル氏の解放を求めているが、彼と電話で話せたのはわずか2回だけだ」と述べた。
3月8日、オーストラリアのマライズ・ペイン外相はミャンマーとの防衛協力を一時停止すると発表した。
ペイン外相は記者団に対し、「私たちはミャンマー軍に拘束されたショーン・ターネル氏の解放を求めているが、彼と電話で話せたのは2回だけだ」と述べた。
ターネル氏はオーストラリアのマッコリ―大学のエコノミストで、アウンサンスーチー氏の顧問を務めていた。同氏は2月6日に拘束されたと伝えられている。
マライズ・ペイン外相:
「ターネル氏はアウンサンスーチー国家顧問とウィンミン大統領を含むミャンマー政府の高官らと共に、恣意(しい)的に拘束されていると確信しています」
「私たちはターネル氏の拘束を受け入れません。私たちはミャンマーの民主主義の回復を求めています。私たちは、武器を持たず平和的に抗議している民間人に対する弾圧の停止を強く求めています。ミャンマー軍はターネル氏を速やかに解放し、私たちの要求を受け入れなければなりません」
政府は7日遅くの声明で、ミャンマーとの防衛訓練プログラム(5年、1億3,000万円相当)を一時停止したと発表した。当局者によると、同プログラムは英語の訓練などの非戦闘分野に限定されていたという。
ペイン外相はロヒンギャやその他の少数民族を含む最も脆弱な人々への人道支援にも焦点を当てた。
「オーストラリアはミャンマーの市民に制裁を科したくありません。困難に直面している平和的な抗議者やロヒンギャ難民などの少数民族を保護することが重要です。制裁は彼らをより困難な状況に追いやるでしょう」
オーストラリア政府は以前、武器の密輸に関わった軍の当局者5人に制裁を科している。ペイン外相によると、これらの制裁は継続される予定だという。
ショーン・ターネル氏をよく知るミャンマーの専門家、モニーク・スキッドモア氏は、軍事クーデターに対するオーストラリア政府の対応は「とても遅く、弱い」と述べた。
「ミャンマー軍は十分な資金と武器を持っています。そして、主要貿易相手の中国がすぐそばにいます。軍は西側を邪魔者と考えているでしょう」
「ターネル氏の解放に向けた動きは、ゆっくり穏やかに進んでいると思います」
ミャンマーの地元メディアによると、最大の都市ヤンゴンで拘束された国民民主連盟(NLD)の当局者が拘留中に死亡したという。
地元メディアは、「キン・マウン・ラット氏(58歳)は拘留中に殴打され死亡した」と報じたが、軍は死因を公表せずに同氏の遺体を遺族に引き渡している。