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オーストラリア2025年12月失業率4.1%に改善、市場予想上回る

この予想を上回る強い雇用統計を受けて、金融市場ではオーストラリア準備銀行(中銀)が次回の金融政策決定会合で金利を引き上げるとの見方が強まった。
オーストラリア、ニューサウスウェールズ州シドニー(ロイター通信)

オーストラリア統計局(ABS)は22日、25年12月の労働統計を公表し、失業率が4.1%(季節調整済)に低下し、7カ月ぶりの低水準となったことが明らかになった。市場は失業率が4.4%に上昇すると予測していた。これに伴い、ネット雇用者数は前月比で6万5200人増加し、労働参加率も66.7%に上昇した。雇用の伸びは主に15〜24歳の若年層の増加が寄与し、フルタイム就業者数が5万4800人増えたことが押し上げ要因となった。総労働時間も0.4%増加し、20億時間を超え過去最高を更新した。

この予想を上回る強い雇用統計を受けて、金融市場ではオーストラリア準備銀行(中銀)が次回の金融政策決定会合で金利を引き上げるとの見方が強まった。データ発表前は2月3日の会合での利上げ確率が約29%であったが、発表後には53%へ急上昇した。オーストラリアドルは対米ドルで15カ月ぶりの高値に達し、3年物国債利回りも上昇するなど、金融市場全体に影響が広がっている。

雇用市場が予想以上の堅調さを示した背景には、クリスマス商戦を含む年末の季節的な求人増加の影響があると見られているが、失業率の低下は単なる季節要因を超えた底堅さを示しているとの指摘もある。若年層の労働参加の増加が全体を押し上げており、これによって失業率の低下が強まったと分析されている。

ただし、年間の雇用増加率は鈍化しており、12月時点では前年同月比で1.1%にとどまっている。これは年初の3.5%から低下したもので、長期的なトレンドとしては雇用増加の勢いが緩やかになっている可能性も示唆している。

中銀は昨年、インフレを抑制するために政策金利を複数回引き上げ、現在3.6%に据え置いているが、今回の雇用統計はインフレ圧力が依然として高止まりしているとの見方を強めている。市場では次回理事会での利上げの可否は、1月末に発表予定の25年第4四半期(10~12月)のインフレ指標に左右される可能性が高いとの意見が多い。特にコアインフレ率が3.2%を超えるようであれば、利上げが現実味を帯びるとの見方が示されている。

強い雇用データと予想外の失業率の低下は、オーストラリア経済が堅調であることを示す一方で、インフレ対策としてさらなる金融引き締めが必要との見方を後押ししており、今後の中銀の政策判断に注目が集まっている。

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