◎ラグビーオーストラリア代表(ワラビーズ)とニュージーランド代表(オールブラックス)は世界を代表する人気チームであり、大会を盛り上げる重要な要素のひとつと見なされている。
2019年10月6日/日本で開催されたラグビーW杯2019、ハカを舞うオールブラックス(Getty-Images/ロイター通信)

オーストラリアとニュージーランドは22日、今年10月にイギリスで行われる予定のラグビーワールドカップから撤退すると発表した。

両国のラグビー委員会は共同声明の中で、代表選手がコロナウイルスの感染リスクにさらされると懸念を表明し、大会を2022年まで延期するよう提案した。

ラグビーオーストラリア代表(ワラビーズ)とニュージーランド代表(オールブラックス)は世界を代表する人気チームであり、大会を盛り上げる重要な要素のひとつと見なされている。

<ワラビーズの概要>
世界ランキング:7位(2021年7月23日
W杯出場:9回
W杯優勝:2回(1991、1999)

<オールブラックスの概要>
世界ランキング:2位(2021年7月23日)
W杯出場:9回
W杯優勝:3回(1987、2011、2015)

ニュージーランドラグビーリーグ(NZRL)のグレッグ・ピーターズCEOは、「参加するのは危険」と語った。

オーストラリアラグビー委員会(ARLC)のピーター・ヴァンディス会長は、「私たちは選手を含む関係者の健康と安全を最優先しなければならない」と述べ、感染拡大が続くイギリスでの大会は危険と示唆した。「現在の(イギリスの)感染状況では選手と関係者の安全と健康を保証することはできません

これに対し、ラグビー・フットボール・リーグ(RFL)のサイモン・ジョンソン会長は英BBCラジオのインタビューの中で両国の決定を厳しく非難し、「撤退は利己的で偏狭で臆病」と述べた。「私たちはこの決定に不満を持っています。両国を除外する準備はできていません。彼らはひねくれています」

しかし、NZRLのピーターズCEOはイギリスの感染状況とスポーツイベントの運営方法に懸念を表明し、撤退を擁護した。「南太平洋とイギリスのコロナの管理方法には大きな違いがあります。イギリス国内におけるデルタ株の感染拡大は、状況が急速に悪化することを浮き彫りにしました」

「イギリスはコロナの規則を解除し、スポーツイベントを開催できるようにしました。しかし、感染状況は改善の兆しを見せておらず、私たちはチームや関係者を派遣するのは危険すぎると判断しました」

オーストラリアとニュージーランドは厳しい封鎖、管理、追跡でコロナウイルスを抑え込むことに成功し、感染者と死亡者数は主要先進国の中でも群を抜いて少ない。

一方、イギリスのボリス・ジョンソン首相はワクチン接種が順調に進んでいることを受け、「コロナと共存する時代が来た!」と宣言し、マスク着用義務を含むほとんどの規則を7月19日に解除した。ジョンソン首相はテレビ演説の中で、「今やらずにいつやるのか!」と国民に力強く呼びかけた。

RFLのジョンソン会長は、オーストラリアとニュージーランドが東京2020五輪を含む他のスポーツイベントに参加していることを疑問視した。また、2022年への延期は他の大会との調整が難しく、さらなる問題に発展すると指摘した。「両国は東京五輪に参加しています。クリケットチームは国際大会に出場しました...」

「延期は困難と考えるべきです。来年はFIFAワールドカップ、コモンウェルスゲームズ(イギリス連邦の大会)、数えきれないほど様々な大会があります」

「ラグビーW杯は2021年10月と11月に完璧かつ完全に開催されます。チケットもすでに販売しています。両国はファンにどのように説明するつもりですか?」

イギリスの7月21日の新規陽性者数は43,404件、過去7日間の平均症例数は47,000件を超えた。ただし、死亡者数は50人を前後を維持している。

ラグビーワールドカップ2021は10月23日に開幕し、決勝戦は11月27日に行われる予定。

<7月21日の新規症例と死亡者>
イギリス:43,404件 73人
オーストラリア:140件 0人
ニュージーランド:7件 0人

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