◎国連安保理は先週、軍事政権にスーチー氏の即時解放を求めた。
アウンサンスーチー氏(Getty Images)

ミャンマーの軍事裁判所は30日、アウンサンスーチー(Min Aung Hlaing)氏に禁固7年を宣告した。

これでスーチー氏が言い渡された禁固刑の期間は33年となった。

民主的な選挙で選出されたスーチー氏は昨年2月の軍事クーデター以来、自宅軟禁下に置かれ、公の場に一度も姿を見せていない。

国連安保理は先週、軍事政権にスーチー氏の即時解放を求めた。

スーチー氏は19の容疑で裁判にかけられているが、人権団体とスーチー氏の弁護団は告発をすべて否定している。

国営テレビによると、スーチー氏は非公開の秘密裁判所で実刑判決を受けたという。判事はヘリコプターの貸与に関する汚職などで有罪としたようだ。

スーチー氏はコロナ関連の規則違反、トランシーバーの密輸、秘密保持法違反など、14の罪で有罪判決を受けている。

軍事政権の支配下に置かれる裁判所は審理に関する情報の公開を禁じている。

スーチー氏は首都ネピドーの自宅で軟禁されているとみられるが、正確な所在地は不明である。

ミャンマーの人権団体、政治犯支援協会(AAPP)によると、軍事クーデター以来、政府高官を含む1万6600人以上が逮捕され、少なくとも1万3000人が収監されたか不当に勾留されているという。

国連安保理は先週、ミャンマーにおける暴力の即時停止とすべての政治犯の解放を要求した。中国とロシアは投票を棄権。決議案の文言が修正されたことを受け、拒否権は行使しなかった。

国際人権団体アムネスティ・インターナショナルも先週、「スーチー氏に対する執拗な法的攻撃は軍の政治的動機による裁判所の武器化であり、茶番である」と非難した。

軍は軍事クーデターに抗議するデモ隊を弾圧し、地方に拠点を置く少数民族の取り締まりに乗り出した。

民兵を有する少数民族は軍を攻撃するようになり、最大都市ヤンゴンやマンダレーでも小規模ではあるが、少数民族と連携する組織や個人による攻撃が報告されるようになった。

軍は大量虐殺、超法規的処刑、集落などへの空爆で告発されている。

AAPPによると、軍に殺害された民間人は2600人を超えたという。

2021年2月28日/ミャンマー、第二の都市マンダレー(Getty Images/AFP通信)
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