◎西パプア州に拠点を置くゲリラ組織「西パプア民族解放軍(TPNPB)」とみられるゲリラ兵がヘリを押収し、NZ人パイロットを殺害、乗客は解放した。
インドネシアの反政府組織「自由パプア運動」の戦闘員(Getty Images)

インドネシア東部パプア州で武装集団がヘリコプターを襲撃し、ニュージーランド人パイロットを殺害した。警察が5日、明らかにした。

それによると、このヘリはパプア州の先住民族を乗せて目的地に到着した直後に襲撃を受けたという。

警察は声明で、西パプア州に拠点を置くゲリラ組織「西パプア民族解放軍(TPNPB)」とみられるゲリラ兵がヘリを押収し、NZ人パイロットを殺害、乗客は解放したと述べた。

地元テレビ局は解放された乗客の話しとして、「弓矢や銃で武装した兵士たちはヘリに火を放ち、ジャングルに戻っていた」と伝えている。

この地域に道路はなく、ヘリでしかたどり着けない。警察がジャングルに逃げ込んだ集団を追跡している。

TPNPBの報道官はAP通信の取材に対し、「我々の領土に不法侵入したヘリの存在を認識しているが、パイロットを殺害したという報告は入っていない」と述べた。

インドネシア領パプア(旧オランダ領)はインドネシア本島とは民族的・文化的に大きく異なる。パプアは1961年にオランダから独立したものの、2年後にインドネシアの支配下に置かれた。

インドネシア政府は国連が主導した1969年の投票でパプアを編入。それ以来、パプア州と西パプア州では紛争が続いており、解決の見通しは立っていない。

TPNPBや「自由パプア運動(OPM)」などの反政府勢力はパプアの分離独立を目指している。

スポンサーリンク