◎事件は州都クエッタ近郊の地区で10日遅くに発生。鉱夫が宿泊する施設に武装集団が押し入り、銃を乱射、ロケット弾を発射し、手りゅう弾を投げ込んで逃走した。
パキスタン南西部バルチスタン州の宿泊施設に正体不明の武装集団が押し入り、炭鉱で働く労働者21人を殺害した。警察が11日、明らかにした。
それによると、事件は州都クエッタ近郊の地区で10日遅くに発生。鉱夫が宿泊する施設に武装集団が押し入り、銃を乱射、ロケット弾を発射し、手りゅう弾を投げ込んで逃走した。
この襲撃により21人が死亡、6人が負傷した。陸軍と警察が武装集団を追跡している。
警察によると、死傷者した27人のうち20人がパキスタン人。7人がアフガニスタン人であった。
周辺住民はこの暴力に怒り、商店主たちはシャッターを下ろして抗議。テロに反対する1日ストライキを行った。
警察の報道官は声明で、「重傷を負った1人が病院で息を引き取り、犠牲者は21人になった」と述べた。
シャリフ(Shehbaz Sharif)首相は声明で犠牲者に哀悼の意を表し、テロ撲滅を誓った。
バルチスタン州首相は悲しみを表明。「テロリストたちは再び貧しい労働者を標的にした」と嘆いた。
警察によると、犯行声明を出した組織は確認されていない。
バルチスタン州では四半世紀ほど前から政府と分離主義勢力による紛争が続いており、バルチスタン解放軍(BLA)などの反乱軍は州の資源を分配するよう中央政府に要求。その後、独立を求めて反乱を起こした。
同州では8月25~26日にかけて少なくとも3つのテロ攻撃が発生し、38人が死亡。陸軍はこのテロに関与したとして、21人の反政府勢力を殺害したと報告している。
パキスタンの首都イスラマバードでは10月15日に上海協力機構首脳会議が開催される。政府はこれに先立ち、イスラマバードと周辺地域の警戒態勢を最高レベルに引き上げ、市内に陸軍を配備している。