◎軍事政権に反対する地方都市の少数民族は各地でゲリラ作戦を展開しているとみられる。
2021年4月24日/ミャンマー、ヤンゴン、軍事政権に反対する抗議デモ(AP通信)

ミャンマーの国営テレビMRTVは29日、ASEAN(東南アジア諸国連合)の特使であるカンボジアのソコン(Prak Sokhonn)外相がヤンゴンに到着したと報じた。

MRTVによると、ソコン氏とASEAN当局者は軍事政権の外務省高官と会談したという。

ASEANはミャンマー軍に対し、紛争当事者との対話や人道支援の提供を含むASEAN首脳会議で採択された5項目を遵守するよう呼びかけている。

ミャンマー軍はこれに合意したが、ほとんど実行に移していないため、ASEANはミャンマーを主要会議から除外している。

軍事政権の報道官はMRTVの取材に対し、「ASEAN代表は5日間留まる予定だが、アウンサンスーチー(Aung San Suu Kyi)氏との面会は許可されないだろう」と述べた。

スーチー氏は汚職を含む複数の容疑で裁判にかけられており、先週、首都ネピドーの刑務所に収監された。裁判所はスーチー氏に禁固11年を宣告しており、その他の裁判を含めると190年以上の禁固刑を言い渡す可能性がある。

軍事政権に反対する地方都市の少数民族は各地でゲリラ作戦を展開しているとみられる。最大都市ヤンゴンやマンダレーで活動していた一部の市民団体も武器を手にしている。

カンボジア政府は今回の訪問について、「先月カンボジアで開催されたASEANの対ミャンマー人道支援に関する協議会の成果である5項目をフォローアップし、すべての関係者との対話と環境づくりを支援する」としている。

ソコン氏は軍事政権の指導者であるフライン(Min Aung Hlaing)司令官や自治権拡大を求めている6つの民族グループ関係者と会談する予定。しかし、この民族グループは紛争に関与していないため、この会談で和平に向けた取り組みが進む可能性は低い。

ソコン氏は今年3月の訪問でフライン司令官、国連外交官、野党政治家などと会談している。

2021年2月7日/ミャンマー、ヤンゴン、軍事政権に反対する抗議デモ(ロイター通信)
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