▽ラカイン州は現在、内戦の焦点となっている。
ミャンマー軍が西部ラカイン州の集落を空爆し、少なくとも40人が死亡、数十人が負傷した。反政府ゲリラ「アラカン軍」が9日、明らかにした。
それによると、軍はアラカン軍の支配下にある複数の集落を空爆し、数百の家屋が火災により焼失したという。
最初の空爆は8日に報告された。軍はコメントを出しておらず、ミャンマー国営放送(MRTV)もこの空爆を報じていない。
この地域は電話もインターネットもつながらないため、現地の最新状況を確認することは難しくなっている。
アラカン軍の報道官はAP通信の取材に対し、「空軍のジェット戦闘機が8日の午後に集落を爆撃し、少なくとも40人の市民が死亡、20人以上が負傷した」と語った。
また報道官は「住宅地が標的となり、火災により500棟以上の家屋が焼け落ち、死傷者の数はさらに増える可能性がある」と述べた。
空軍が集落を狙った理由は不明。地元の独立系メディアも複数回空爆があったと伝えている。
ラカイン州は現在、内戦の焦点となっている。
北東部シャン州を支配する「MNDAA(ミャンマー民族民主同盟軍)」とタアン民族解放軍(TNLA)、アラカン軍、東部カレン州の少数民族ゲリラ「カレン民族同盟(KNU)」、チン州の反体制派「チン民族戦線(CNF)」などからなる民主派勢力は23年10月、中国国境に近い北部で反攻を開始。複数の地域から国軍を追い出した。
これらの反体制派は民主派政治組織「挙国一致政府(NUG)」や人民防衛軍(PDF)と連携し、国土の半分以上を掌握。軍政に圧力をかけている。
ラカイン州の軍司令部は昨年12月に陥落。この結果、ほぼ全域が民主派勢力の支配下に置かれた。