バングラデシュで反インド感情高まる、若者が主導
バングラの若い世代の一部は、インドが同国の内政に介入しているという印象を強めている。
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近年、バングラデシュと隣国インドとの関係が緊張し、特に若者の間で反インド感情が高まっているとの見方が国内外で広まっている。歴史的に両国は友好関係を築いてきたが、政治情勢の変化や国民感情の動きにより、かつての「良好な隣人」という関係が揺らいでいるとの指摘がある。
バングラの若い世代の一部は、インドが同国の内政に介入しているという印象を強めている。学生や若者の間で「インドによる干渉」というフレーズが使われるようになり、これが反印感情を助長していると分析する向きもある。モシャラフ・ホサイン(Mosharraf Hossain、24歳)さんはインドが過去の選挙や政権運営で特定の政治勢力を支持してきたとの認識を示し、「民主主義の弱体化にインドが関与したとの意識が広まっている」と話す。
このような感情が高まる背景には、国内の政治的混乱と長引く抗議活動が影響している。2024年に広範な学生主導の抗議デモが発生し、当時のハシナ(Sheikh Hasina)首相が失脚、その後インドに亡命する事態となった。これにより、インドがバングラの政治に関与しているとの批判が一部で強まった。さらに、反インド派の政治活動家や運動家が国内で影響力を持ち、若者層に浸透しつつあるとの分析もある。
水資源管理や貿易の不均衡といった具体的な政策課題も、両国の感情的亀裂を促している。例えば、河川水の共有や貿易障壁に関する不満は、若者の間でインドへの不満として語られることがあるが、こうした感情は地域全体の経済的利害と絡んでいるとの指摘もある。
ただし、バングラ全体がインドに反感を抱いているわけではないとの見方も存在する。一般市民の多くは両国の経済・文化・人的交流を重視し、地域の安定を望む意見も根強い。バングラの俳優ロケヤ・プラチ(Rokeya Prachy)さんは、普通の国民はインドに反対しているわけではなく、一部の基盤勢力が政治的な目的で反印感情を煽っていると指摘している。
また、インド側からの視点では、バングラとの関係は依然として戦略的に重要であり、地域の安全保障や経済協力を重視する声が強い。インド政府は両国関係を修復し安定させるべく対話を続ける姿勢を示しているが、バングラ国内の政治情勢次第でその成果が左右される可能性があるという見方もある。
専門家の間では、バングラの若者がインドに反感を持つ背景には単純な敵意だけでなく、国内政治への失望、長年の歴史的誤解、そして地域の大国としてのインドに対する自立志向といった複合的な要因があると分析されている。これらはソーシャルメディアなどを通じて増幅され、特定の世代の感情を象徴するものとして顕在化している。
結論として、バングラの若者の間でインドに対する批判的な感情が一定程度広がっていることは否定できないが、それが国民全体の意思や政策に直結しているわけではない。両国関係は歴史的な絆と相互依存を基盤としながらも、新たな世代の視点と政治的変動によって再定義されつつあると言えるだろう。
