◎ミャンマーのイスラム系少数民族ロヒンギャの難民推定400人を乗せた船2隻がアンダマン海で救助を待っている。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は5日、ミャンマーのイスラム系少数民族ロヒンギャの難民推定400人を乗せた船2隻がアンダマン海で救助を待っていると明らかにした。
UNHCRの広報担当はAP通信の取材に対し、「この2隻はバングラデシュを2週間ほど前に出港したとみられ、救助しなければ全員死亡する可能性がある」と語った。
ミャンマー軍政による2017年の弾圧で殺害されたロヒンギャは1万3000人と推定され、少なくとも200の村が焼き払われ、100万人以上が国外退避を余儀なくされた。
バングラのコックスバザール地区には70万人以上のロヒンギャが避難し、世界最大の難民キャンプを形成している。
バングラに避難したロヒンギャの多くがマレーシアへの亡命を希望。難民キャンプから抜け出し、人身売買組織の助けを借りて危険な航海に乗り出している。
国連によると、その数はキャンプの食料配給削減と暴力事件が相次いでいることを受け、昨年から急増したという。
タイ・バンコクに拠点を置くUNHCRのアジア支部はソーシャルメディアに声明を投稿。「子供と女性を含む約400人がアンダマン海で救助を待っており、今すぐ行動を起こさなければ取り返しのつかない事態になる」と書き込んだ。
船の現在地は不明である。
AP通信は関係者の話しとして、「2隻のうち1隻には180~190人が乗船しており、エンジンが損傷し、航行不能に陥っている」と報じた。
この船はタイの南西岸から320キロほどの地点で消息を絶ったとされる。
4日にこの連絡を受けたタイ海軍の報道官は「領海内で船が難破したという情報はない」と述べた。
インドネシア・アチェ州サバン島には2日、ロヒンギャ139人を乗せたボートが上陸した。139人の内訳は子供58人、女性45人、男性36人。
先月アチェ州に上陸したロヒンギャは約1000人に達した。