米国のフリークライマーが命綱なしで台北101ビルを登攀
今回の挑戦はNetflixがライブ中継する特別番組「Skyscraper Live」として放送され、世界中から注目を集めた。
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米国人フリークライマー、アレックス・ホノルド(Alex Honnold、40歳)が25日、台湾・台北の超高層ビル「台北101(高さ508メートル、101階建て)」をロープや安全装備なしで登るフリークライミングを成功させた。今回の挑戦はNetflixがライブ中継する特別番組「Skyscraper Live」として放送され、世界中から注目を集めた。
ホノルドは自然岩場の高さと難度で知られる米ヨセミテ国立公園のエル・キャピタンでロープなしの登攀(とうはん)を成し遂げたことで国際的な名声を得たが、建造物を対象としたロープなしの登攀は今回が初めてである。ビルの外壁には手がかりとなる小さな突起や水平の梁があるものの、その高さと単調な構造は極めて高い危険性を伴うものであった。
ライブ中継では、現地で見守る観衆や、世界各地の視聴者がホノルドの一挙手一投足に息をのんだ。ホノルドは赤い半袖シャツを着用し、時折バルコニーや小さな出っ張りで短い休息を取りながら慎重に登った。ビルの中盤となる64階付近は特に難所とされ、傾斜のある「バンブーボックス」と呼ばれる外装部分が連続していることから、ここを突破する過程が登攀全体の山場になった。
この挑戦は当初、1月24日に実施する予定だったが、雨天により一日延期され、25日の午前に行われた。中継には約10秒の遅延が設けられ、緊急時に対応できるような放送体制が敷かれたという。
ホノルドは登攀を終えた後、「頂上に到達した瞬間は格別だった」と述べた。登攀には1時間30分余りを要したとみられる。今回の成功により、ホノルドは高所への挑戦という枠を超え、都市の建造物を対象とするロープなし登攀の可能性を示した。これまで同じビルにはフランス人クライマーのアラン・ロベールが2004年に登った例があるが、彼はロープを使用していた。
一方で、このような危険な行為をライブで放送することに対しては賛否両論がある。支持する者はホノルドの卓越した技術と精神力を称賛するが、一般登山者や若者が模倣するリスクを懸念する意見も出ている。ネット上では「生命を危険にさらすような行為を娯楽化するのは倫理的にどうか」という批判も見られた。
ホノルドは今回の成功を今後のキャリアの一里塚と位置づけつつ、家族との時間も大切にしていく意向を示している。フリーソロ界の頂点に立つ人物による実験的な都市登攀は、スポーツクライミング史に新たな一章を刻んだと言える。
