パキスタン軍がアフガン東部を攻撃、1人死亡、16人負傷
タリバンの報道官はX(旧ツイッター)への投稿で、攻撃は29日午後に行われ、複数の家屋が被害を受けたと説明した。
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アフガニスタンのタリバン暫定政権は29日、東部クナル州アサダバード郊外に対しパキスタン軍が砲撃を行い、複数の民間人が死傷したと非難した。それによると、迫撃砲などの重火器が使用され、少なくとも1人が死亡、16人が負傷した。負傷者の多くは女性や子どもだとしている。
タリバンの報道官はX(旧ツイッター)への投稿で、攻撃は29日午後に行われ、複数の家屋が被害を受けたと説明した。SNS上には負傷した子どもの写真も投稿されている。一方、パキスタンはコメントを出していない。
今回の砲撃は2月下旬から激化している両国間の武力衝突の一環である。アフガンとパキスタンの関係は近年急速に悪化し、国境地帯で越境攻撃や報復措置が繰り返されている。専門家は今回の衝突について、数十年で最も深刻なレベルに達していると指摘する。
対立の背景にはパキスタンが主張する武装勢力の問題がある。パキスタン政府は同国内でテロ攻撃を行うTTP(パキスタンのタリバン運動)などのイスラム過激派がアフガン領内に潜伏し、攻撃拠点にしていると非難している。これに対し、アフガン側はこうした主張を否定し、自国の領土が他国への攻撃に利用されることは認めないとしている。
両国の軍事衝突は空爆や砲撃にとどまらず、地上戦やドローン攻撃に拡大している。3月中旬には首都カブールの施設が空爆を受け、400人以上が死亡するなど、被害は都市部にも及んでいる。パキスタンはこの攻撃について、弾薬庫を標的としたもので民間人は狙っていないと反論している。
ラマダン(断食月)明けの祭りイード・アル・フィトルに合わせて一時的な停戦が成立したものの、その後まもなく戦闘が再開された。停戦仲介にはサウジアラビアやトルコ、カタールなどが関与しているものの、根本的な対立の解消には至っていない。
国連は民間人被害の拡大に強い懸念を示し、双方に対して国際法の順守と即時の緊張緩和を求めている。しかし、双方ともに自衛や報復を理由に軍事行動を継続しており、衝突は長期化の様相を呈している。
今回の砲撃は国境地帯に暮らす住民が常に戦火の危険にさらされている現実を改めて浮き彫りにした。政治的対立と武装勢力問題が複雑に絡み合う中、和平への道筋は依然として見通せず、地域の不安定化が続く可能性が高い。
