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世界的な韓国ブームで食料品の価格が高騰、韓国のりも

中央政府や企業は国内消費者への影響を抑えるため、価格安定策や生産拡大の取り組みを進めている。
韓国のりのイメージ(Getty Images)

世界的な韓国文化の人気が、これまで「手頃な庶民の味」とされていた韓国の食料品の価格を押し上げ、国内で消費者の負担が増している。特に韓国の日常食として親しまれてきた「韓国のり(海苔)」が象徴的で、国内では一枚当たりの価格が記録的な水準に達し、消費者の間で不満の声が強まっている。

これは黒く平たい板状の海苔で、韓国の家庭ではご飯のおかずやおやつとして日常的に食べられてきた。しかしここ数年、K‑popや韓国ドラマの世界的なブームに伴い、海外での人気が急拡大している。米国や欧州、アジア各地で韓国料理や韓国製スナックへの関心が高まり、輸出が増加。2025年には韓国のりの輸出額が過去最高となる約11億3000万ドルに達したという。

この需要拡大は価格に直結している。伝統的に韓国のりは10枚前後で数百ウォン(数十円)程度と安価な食品だったが、最近では1枚当たり150ウォンを超えるケースが増え、一部の「プレミアム」商品では350ウォン近くに達するものも出てきた。こうした価格上昇は原材料費や労働コスト、海外需要の増加など複数の要因が絡むものの、世界的な人気の高まりが大きな要因だと専門家は分析している。

地元の消費者の中には、海苔の価格上昇を実感し、購入量を減らす人も出ている。30代のある女性は数百枚単位でまとめ買いしていたが、「価格が上がってしまい、今後は買い控えを考えざるを得ない」と語るなど、庶民の生活に影響が及んでいることがうかがえる。

この現象は海苔に限らず、韓国の伝統的なストリートフードにも広がっているとの指摘もある。例えば魚形の甘い「プンオパン」や屋台の軽食類も、原材料費や人件費の高騰で価格が上昇し、消費者の間で「かつてのように気軽に買える価格ではなくなった」との声が増えている。

業界関係者はこの背景について、グローバルなKカルチャーの人気が食品需要の地域差をなくしつつあることを挙げる。国外の消費者はドラマや音楽などの影響で韓国料理に触れ、その味を本場で試したいと望むようになった。結果として国内外での競争が激化し、供給が追いつかない状況が生まれているという。

中央政府や企業は国内消費者への影響を抑えるため、価格安定策や生産拡大の取り組みを進めている。政府は価格動向を注視し、業界と協力して供給体制の強化や生産効率の改善を図る方針を示している。また食品会社側でも、年間を通じて原料を確保できる研究開発センターの設立など、価格変動への対応策を模索しているという。

一方で、こうした価格上昇の裏には世界的な韓国食文化の評価向上という側面もある。海苔やトッポッキといった韓国の庶民的な食品が海外で「健康的で魅力的な食べ物」として認知されるようになったことは、食品産業全体のブランド力向上につながっているとの見方もある。今後、庶民の味と世界的トレンドのバランスをどう取るかが、韓国国内外の食文化にとって重要な課題となる。

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