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パキスタン軍が武装勢力を急襲、テロリスト41人殺害

陸軍は声明で、「最初の摘発では30人のテロリストが死亡し、もう1つの地区で11人を殺害した」と述べた。
パキスタン、南西部バルチスタン州(Getty Images)

パキスタン軍は29日、南西部バルチスタン州で反政府勢力に対する大規模な作戦を実施し、少なくとも41人のテロリストを殺害したと発表した。それによると、作戦は同日、複数の容疑者の潜伏が確認された2地区で実施され、激しい銃撃戦の末に武装勢力を排除したという。両地域での作戦中、軍側に死者は出なかった。

陸軍は声明で、「最初の摘発では30人のテロリストが死亡し、もう1つの地区で11人を殺害した」と述べた。軍は武装勢力について、「隣国インドの支援を受けていた」との見方を示したが、具体的な証拠は提示していない。また、これらの勢力が複数回にわたり治安部隊に対する攻撃や銀行強盗などの犯罪に関与していたと述べている。

軍は両地区で作戦後も「浄化作戦」を継続しており、残存する武装勢力の一掃を目指して捜索・掃討を進めているとしている。これらの作戦は最新の情報に基づいて行われ、疑わしい隠れ家やテロ拠点を標的としている。

シャリフ(Shehbaz Sharif)首相やザルダリ(Asif Ali Zardari)大統領は声明で、治安部隊の活動を称賛した。ザルダリ氏は安全保障の維持に対する国家の「揺るぎない決意」を強調し、シャリフ氏は「国全体がこのテロとの戦いで軍を支持している」と述べた。両首脳は国内の安全環境の改善に向けて国民の支持を求める姿勢を示している。

これらの軍事作戦はパキスタン国内における武装勢力の活動がここ数カ月で再び活発化していることを受けて実施されているものだ。長年にわたりバルチスタン州では中央政府からの独立を目指す分離主義勢力が活動し、治安部隊やインフラ施設への攻撃を繰り返している。こうした分離主義勢力に加え、同国最大のイスラム過激派TTP(パキスタンのタリバン運動)やアルカイダ系組織も地域の不安定化に寄与していると指摘される。

バルチスタン州はアフガニスタンと国境を接し、地理的条件から武装勢力が越境して逃れることが多い。これまで政府はテロの脅威を抑え込んできたと主張してきたものの、今回改めて武装勢力への対応が急務であることを示した形だ。

軍関係者は、装備や弾薬の押収状況についても言及しており、拠点から多数の武器や弾薬、爆発物が見つかったと報告している。また、同州で昨年12月に発生した銀行強盗で奪われた現金の一部も押収したという。これらの証拠は武装勢力が地域の不安定化を狙った多様な犯罪活動に関与していることを裏付けるものとしている。

パキスタン政府は今後も治安部隊の活動を支援し、武装勢力の脅威を抑えるための取り組みを強化していく方針を示している。一方で、軍事力だけでなく社会的・経済的な支援策を通じた根本的な治安改善策の必要性も指摘されており、政府内外で議論が続く見通しだ。

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