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台湾・台北で無差別襲撃事件、3人死亡、9人負傷、容疑者転落死

犯行後、容疑者はデパートから転落し、その後死亡が確認された。
2025年12月19日/台湾、首都台北、無差別襲撃事件が発生したデパート(AP通信)

台湾・台北市で19日夕方、男が発煙弾と刃物を用いて無差別攻撃を行い、少なくとも3人が死亡、9人が負傷する事件が発生した。

犯行後、容疑者はデパートから転落し、その後死亡が確認された。事件は台北駅周辺と近くの商業地区で起き、市民に大きな衝撃を与えている。

警察によると、容疑者は27歳の男。市中心部の地下鉄出入口付近で発煙弾を投げて通行人らを混乱させた後、ショッピング街にあるデパートに向かい、1階と4階で複数人を刃物で刺した。攻撃は無差別に行われ、現場周辺は一時、叫び声と混乱に包まれた。

報道によると、この攻撃で3人が死亡、9人が病院に搬送された。負傷者の中には深刻な状態の人も含まれ、うち1人は心停止状態で搬送されたと伝えられている。また、発煙弾の煙で1人が呼吸器系の障害を負ったとの報告もある。

事件後、容疑者はデパートの6階から転落し、その後病院で死亡が確認された。警察は容疑者が自ら飛び降りたとみている。

地元テレビ局は関係者の話しとして、「容疑者は2024年11月に予備役訓練への出頭義務を果たさず、兵役に関する法令違反で指名手配中だった」と報じた。

頼清徳(Lai Ching-te)総統は記者会見でこの事件を強く非難し、犠牲者への哀悼の意を表した。報道官もコメントを出し、「このような暴力行為は決して許されない」と述べるとともに、全国の鉄道駅や交通ハブ、空港などの治安を強化する方針を示した。また、捜査当局に対し動機と背景の解明を指示したと明らかにした。

台湾でこのような無差別攻撃が発生することは稀である。事件を受けて市民や観光客の間には不安が広がり、公共の安全対策強化を求める声が上がっている。警察は現場周辺の防犯カメラ映像や容疑者の交友関係などを精査し、単独犯か共犯者の有無なども含めて捜査を進めている。

当局は市民に対し冷静な行動と偽情報に注意するよう呼びかけている。

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